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話・はなし・噺・HANASI

絵 張紅  文 李順然

第六十六回

春のリニューアル

 春-身体も心もリニューアルの季節ですね。僕の「話・はなし・噺・HANASI」ももうすぐ七十回、筆を執るたびにマンネリ、いやになっているところです。そこで、四月からはちょっと小さなリニューアルに挑もうかなと考えています。いまの一月三回同じタイトルを三等分する、つまり新しく二つの分店をだそうというのです。まず、この「話・はなし・噺・HANASI」は、本店扱いで看板は変えません。いままでの写真ではなく、毎回絵を入れようと思っています。さし絵です。二十数年前のぼくの処女作『わたしの北京風物詩』のさし絵を描いてくださった張紅さんの手をお貸りする約束をしました。毎回の冒頭にこんな「自序」をつけるつもりです。

 「わたしの文字が最初に本になった『わたしの北京風物詩』(東京・東方書店、1987年)にカットを添えてくれた張紅さん、当時は美術学校をでたばかりのお嬢さんだった。あれから二十七年、いまの張さんは中国指折りの出版社三聯書店のベテランアートディレクターである。二十数年前に、ちゃきちゃきの北京っ子の張さんが描いてくれたカットには、自動車の洪水もなく、高層ビルの林立もなかったあのころの北京の庶民の心が感じられる。一人で楽しんでいるのはもったいないので、そのまま毎回のこのコーナーに再登場してもらい、わたしの退屈な雑文に色を添えていただくことにした。」

 下の絵は、張紅さんがぼくの本に描いてくれた「天壇に映える日本の桜」、この桜は真の天壇公園の土に馴染めず、いまでは西の玉淵潭公園に移され毎年満開、北京の春に色を添えてくれています。


張紅さんの絵「天壇に映える日本の桜」

次は「楊君のワンショット」、毎回の冒頭に次のような「自序」を入れて、楊哲三写真、李順然文の「弥次喜多」コーナーにしようと思っています。


楊哲三君(左)とぼく。北京飯店内の日本料理店「五人百姓」の前で

 「楊哲三君(左)とぼくは、一九五三年に中国に帰ってきた在日本中国人二世である。二人は、それから半世紀ずっと北京で暮らし、ずっと日本語を使う仕事をしている。楊君はぼくの長年にわたる知音である。街頭の信号灯がおぼらにしか見えない楊君は、外出のさい玩具のようなカメラを手にする。そして街角の面白い風景を心で捉えてシャッターを切り、数枚を病身で外出ままならぬわたしに送ってきてくれる。こうして、わたしを優しく励ましてくれているのだ。」

 四月の「楊君のワンショット」では、楊君が送ってきてくれた写真を受けて、ピッカピッカの新学年、家の近くの西城区青竜橋小学校の話をしようと思っています。

 三等分の最後の一つ、それは「中国古文物へのいざない――わたしの選んだ一真」です。古文物などまったくの素人のわたしが、こんなテーマで話をする、まったくおこがましいことで、家内からも叱られました。でも、どうしてもやってみたいというのは、わたしの長年の夢なので、試行してみることにしました。

 四月の「中国古文物へのいざない――わたしの選んだ一真」では、殷代(紀元前1600年~紀元前1046年)最大の甲骨「祭祀狩猟朱ト辞」を取りあげようと思っています。ご笑読ください。


殷代の甲骨文字

作者のプロフィール

 李順然、中国国際放送局(北京放送)元副編集長。著書に『わたしの北京風物詩』『中国 人、文字、暮らし』『日本・第三の開国』(いずれも東京・東方書店)などがある。

紹介した内容

第六十五回 北京の旅の穴場
第六十四回 圧歳銭
第六十三回 年の瀬に
第六十二回 涮羊肉と砂鍋白菜
第六十一回 酒鬼
第六十回 漢字の危機
第五十九回 「わたしの夢」さし絵
第五十八回 赤子の心
第五十七回 菊の花と人の顔
第五十六回 馮小剛・莫言
第五十五回 国慶節・天安門・私
第五十四回 エジソンと携帯電話
第五十三回 仲秋節
第五十二回 秋到来
第五十一回 同姓同名
第五十回 王府の今昔
第四十九回 光盤行動・低配生活
第四十八回 -禿三話-
第四十七回 交通マナー雑議
第四十六回 苦熱・溽暑
第四十五回 「雑家」の「雑文」
第四十四回 思い出のラジオ番組
第四十三回 大学受験シーズン
第四十二回 五月の色
第四十一回 ―法源寺・鑑真和上―
第四十回 北京の若葉
第三十九回 煙巻褲(イエンヂュエンクウ)
第三十八回 踏青
第三十七回 シルクロードの旅点描
第三十六回 シルクロード点描②
第三十五回 シルクロード点描①
第三十四回 春の装い
第三十三回 春を探ねて
第三十二回 擲球之戯
第三十一回 春節と餃子

第三十回 「武」という漢字
第二十九回 緑の引っ越し
第二十八回 北京っ子と風邪
第二十七回 橄欖球・水泳・羽毛球
第二十六回 足球・篮球・乒乓球
第二十五回 九九消寒図
第二十四回 北京の冬
第二十三回 衣がえ
第二十二回 落ち葉
第二十一回 老舎と菊
第二十回 中日共同世論調査をみて②
第十九回 中日共同世論調査をみて①
第十八回 天高気爽③
第十七回 天高気爽②
第十六回 秋高気爽①
第十五回 納涼④
第十四回 納涼③
第十三回 納涼②
第十二回 納涼①
第十一回 男はつらいよ
第十回 苦熱
第九回 胡主席の卓球 温首相の野球
第八回 麦の秋
第七回 柘榴花・紅一点
第六回 漢字と笑顔
第五回 五月の香り
第四回 北京の古刹法源寺
第三回 井上���さしさん
第二回 SMAPと中国語
第一回 春天来了

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