さて、本題にもどりましょう。今年の大学入試の作文の試験問題は、この二人の会話をそっくりそのまま試験問題にしたようなもので、次のように記されていました。
『科学者:もしエジソンが二十一世紀の世界で一週間暮らしたら、一番驚くのはなんだろうか?
作家:携帯電話じゃないだろうか?
科学者:賛成だね。携帯電話は情報化時代のシンボルだよ。まったく手の平の上のコンピューターだ。その豊富な効能にエジソンもびっくりするだろう。
作家:携帯電話がこんなに幅広く応用されていることは、人間の交流方式、思想感情、観念意識に深い影響をあたえている。これは、エジソンも考えが及ばないことだろう。
上述の科学者と作家の携帯電話をめぐる異なった見方を君はどう考え、どう思うか?
題、角度、文体(詩歌を除く)は自由、八百字以上の文章にもとめよ。』
この作文の問題、大方の専門家のあいだでは評判が良かったようです。素人のわたしも、理科系志望の受験生にも、文科系志望の受験生にも、それなりに受け入れられる着眼点のいい出題だなと思いました。ちなみに、中国語でエジソンは「愛迪生」、携帯電話は「手机」、この問題のタイトルは「愛迪生与手机」となります。
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