北京の秋の空、どうしても五回も秋の北京を訪れた巨匠梅原龍三郎の「それは音楽を聞いているような空だった」ということばが頭を離れず、わたしなりにそんな感じの李白の詩を選んでみた。
「空澄み渡り雁一羽はるか遠くに」――「秋高気爽」とでもいうのだろうか。東京に記者として駐在していたとき「お天気博士」の倉鳩厚さんから「お天気博士の四季暦」(文化出版社)というご本をいただいた。この本によると、中国の秋の晴天は¥英語では「ハイ・オータム・クリスプ・ウェザー」(high autumn crisp weather)と訳されているそうだ。倉鳩さんは、これはきっと「秋高気爽」からの訳だろうと書いておられた。ここでのキーワードはクリスプだと思う。
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