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選者のプロフィール

　李順然、中国国際放送局（北京放送）元副編集長。著書に『わたしの北京風物詩』『中国　人、文字、暮らし』『日本・第三の開国』（いずれも東京・東方書店）などがある。

選者のひとこと

　于武陵の「酒を勧む」を選んだ最大の理由は上述の井伏鱒二の名訳による。この詩をめぐって、楽観説と悲観説がある。前者は短い人生、だからこそこの春のひとときを心ゆくまで楽しもうじゃないかと理解し、後者は人生とどのつもりお別れだけじゃないかと理解する。于武陵も、井伏鱒二も前者だったと思うが、結句の訳文「サヨナラダケガ人生ダ」があまりにも名訳だったので、別離が突出された感じとなり、悲観説が生まれたのかも……。

紹介した『私の漢詩歳時記』