わたしの家から三、四分のところに護城河という川が流れている。読んで字の如し、城を護る河、封建王朝の都であった北京を外敵から護るための外堀である。その跡を流れているのが護城河なのだ。 この近くに住むようになって半世紀余、毎年のことだが秋が近づくとどこからかこの川辺に赤とんぼの群れがやって来る。そして知らないうちにどこかに消えていく。……北京は千年の古都、この赤とんぼの群れの演じる秋を迎えるセレモニーも、きっと代々続けられてきたのだろう。赤とんぼの到来がいつまでも続くよう願っている。 梅堯臣の「雑詩絶句」については「知」と「船」と同じ文字が繰り返されているとか、中仄にはずれるところがあるとかの指摘もあるが、それはそれなりに独特の面白さがあるのではないだろうか。梅堯臣の船上での軽いスケッチだろう。
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