金粟はもともと金木犀(きんもくせい)のことだが、ここでは黄菊。東籬の菊は、晋の詩人陶淵明(365~427年)の名句「菊を采る東籬の下悠然として南山を見る」をふまえたものだろう。
晩秋の菊には、逝く秋を惜しむ寂しさも感じられる。菊は一年最後の花。白居易と親交のあった唐の詩人元稹(779~831年)は「この花開いて後更に花無し」と詠っている。また、芭蕉(1644~1694年)は「菊の後大根の外更になし」という句を残している。北京の秋は短く、冬は長い。気候学では北京の秋は45日、冬は160日となっている。
|