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選者のプロフィール
 李順然、中国国際放送局(北京放送)元副編集長。著書に『わたしの北京風物詩』『中国 人、文字、暮らし』『日本・第三の開国』(いずれも東京・東方書店)などがある。
リスナーからもらった桜木
 二十世紀も終ろうとしていた1996年に、日本の長野県のリスナーの皆さんが持ってきてくださった桜の苗木、中国国際放送局(北京放送)の庭に植えられました。そして、二十一世紀を迎えると、毎年四月に美しい花を開いてくれています。後ろの建物は、中国国際放送局ビルです。(2009年4月2日撮影)
選者のひとこと

 太祖朱元璋から要職(戸部侍郎)を授かったが、これを固辞して故郷の蘇州に帰っていたころの作品だろう。蘇州は水の都、東洋のヴェニスといわれる風光の明媚の地、「上に天国あり、下に蘇州、杭州あり」ともいわれる。
 街を縱横に走る小運河、そこに架かる美しい橋、花咲きほこる庭園、橋を渡り、花を眺め、気心知れた茶飲み友だちの隠居胡さんの家に急ぐ高啓の浮き浮きした姿がリズミカルに描かれている。
 高啓の平易明快な詩は、日本でも江戸時代から広く親しまれてきた。夏目漱石も高啓の詩を愛読したという。その五絶の詩「渡り尽くす東西の水、三たび過ぐ翠柳の橋、春風吹いて断たず、春恨幾条条」には、高啓の「胡隠君を尋ねる」の影が感じられるという人もいる。

紹介した『私の漢詩歳時記』
• わたしの漢詩歳時記―四月中旬
• わたしの漢詩歳時記―四月上旬
• わたしの漢詩歳時記―三月下旬
• わたしの漢詩歳時記―三月中旬
• わたしの漢詩歳時記―三月上旬
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