風の穏やかな日の柳絮は、春うららを感じさせる。まさに「舞う」といった感じだ。だが、風の強い日の柳絮は「飛ぶ」といった感じだ。 薛濤の歌うように、柳絮はいたずら風に身を任せているだけではないらしい。南に向ったかと思うと北に飛んだり、あたかも意志のある生きもののように振る舞うこともある。北京の胡同(横丁)でときどき見かける春の風景だ。