きゅうり、トマト、そして白菜の料理
年明け早々、降り積もる大雪を見ていたら、白い雪、その下のビニールシート、そして古ぼけた茶色の毛布という順に掻き分けてやっと手にした白菜のことを思い出した。緑の葉に葉元は太くて白く、雪のように冷たかった。物が乏しかったあのころは、どの家も冬が近づくと白菜を何十キロも大量に買い込んで、毛布やビニールシートをかぶせて家の外に山積みにした。冷蔵庫がなくても、氷点下の気温が野菜の鮮度を保ってくれる。我が家では、「酸菜(酸味が効いた中国東北地方の漬物)」にもしていた。毎日のおかずが白菜だらけだったが、今思うと不思議なくらい、食べ飽きることはなかった。
今は季節を問わずに食べたいものが手に入る時代になり、都会では白菜を蓄える家はほとんどない。市場には冬でもトマトやきゅうりなどがずらりと並ぶ。ビニールハウスのおかげだ。しかし、今回の大雪災害でビニールハウスは壊れ、栽培されていた野菜たちは大きな被害に遭った。
市場の様子
市場に出回る野菜が減ったため、連日、「また値上がりしたの?!」という市民の嘆きがあちらこちらで聴かれる。北京近郊の野菜卸売り場では、2ヶ月前に500g 1.4元(18円)だったジャガイモが今では2.4元(31円)まで値上がりした。寒い日が続き価格は不安定だ。もうすぐ旧正月。白菜は英語ではChinese Cabbageと言われ、中国ではなじみが深い。昔のように食べきれないほどのごちそう、それに欠かせない白菜を食卓に並べて心ゆくまで家族と春節を祝いたい。(文・写真:黄恂恂、チェック:村田)
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