ある日、オフィスでパソコンを打っていたら同僚が「窓の外を見て!」と叫びました。13階の窓から指差す方を見たら、向かいの空き地に何やら巨大なロゴが浮かび上がっていました。
よく見てみると、車がたくさん並べられてロゴになっているではありませんか!「ただ事ではないっ」という思いで急いでカメラを抱え、向かいの空き地へ。
車のタイヤの形をした黒い輪の門をくぐると、そこには「祝MINI50周年」と書かれた看板が立っていました。車がズラリと並んでいて、いつもなら何もない空き地はいつの間にかサーキットに変身。
「MINIの50歳の誕生日を記念して、MINIの車を並べて世界最大のMINIのロゴを描き出そうと考えました」と、話してくれたのはこの巨大ロゴの仕掛人。
ネットでこの試みを持ち主に呼びかけたところ、平日にもかかわらず150台以上が集まってきました。
ガソリン代がどんどん値上がりし、曜日によるプレートナンバーの走行制限(プレートナンバーの最後の桁の数字によって、走行できない曜日が定められる)がある北京市ですが、若者を中心に、車に対する憧れは一層強まるばかりです。
この日集まった車のオーナーは、ほとんど20代後半から30代前半。彼らはいわゆる「苦労をしらない」世代です。個性を重視して、物にはこだわりを持つ。流行に敏感で、経済的にも豊かです。
ですから車は同じでも、個性的で「ファッション」を主張しています。一つとして同じ色、装飾の車はありません。このミニ・クーパーは英国製の輸入車で、車の値段だけでも最低1台30万元前後(約450万円)とかなり値が張ります。
天候がいま一つだったせいか、集まった車の数は主催側が目標とした世界記録といわれる196台には届きませんでした。けれど、そんなこととは関係なしに北京の若者の車への情熱、こだわりはこれからも絶えることはないと実感しました。(文・写真:黄恂恂、チェック:村田)
会場で少し変わったミニ・クーパーを発見!
しかも2008年の北京五輪のスペシャル仕様です
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