気がつけば、もう師走。北京市内の人々の足取りも、いつにも増して速まり、クリスマスの準備や年末の行事に向けてでしょうか、慌しさが感じられます。
忙しいときだからこそ、健康管理も大事です。日曜の午後、地下鉄1号線に乗ってみると、新型インフルエンザの対策にマスクをしている人を何人も見かけました。しかし、新型インフルが広まる凄まじい勢いを考えると、注意を払っている市民はまだまだ少ないような気がします。
地下鉄の車両内の消毒シール
この間、「新型インフルは怖くないの?」と同僚に聞いたところ、「SARS騒動を経験しているからみんな神経的にはタフだ」という返事が返ってきました。なるほど、確かにそうなのかもしれません。中国大陸で死亡者数が300人を超え、学校も仕事も休みになり、町の中に異様な緊張感が漂っていた7年前の恐ろしい光景。今回の新型インフルはまだ猛威をふるってはいません。しかし、北京は過去に苦い経験があるからこそ、その経験を生かして、新型インフルなどの流行防止に生かしていくべきではないか、という人もいます。
現在、中国の新型インフルによる死亡者数は、WHOが発表した外国の数値よりはるかに少ないです。けれども、これは決して中国は安心してもよい、というわけではないのでしょう。(文・写真:黄恂恂)
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