渋滞が多い北京で、地下鉄は人々を時間通りに目的地へ運んでくれるたのもしい乗り物。9月末、市民が期待するなか、北京に9本目となる地下鉄4号線が開通しました。
4号線の全長は28.8キロ。北京の真南から北西へと伸び、北は観光名所の園明園、南は高速列車が走る北京南駅、途中、有名大学が集まる海淀区、しゃれたショッピング街で知られる西単などを経由します。
北京五輪後に開通した初の地下鉄線として、4号線の駅のデザインは色々な工夫が凝らされています。たとえば、各駅の構内にはその周辺のシンボルを刻した「テーマ壁」を設置。「北京動物園駅」だったらパンダ、国家図書館だったら本……といった具合に、その地域の要素を上手に取り入れています。こうしたデザインは、北京の雑誌社の目を引き、4号線をテーマにした写真コンテストも開かれました。
新線の開通でビジネス・チャンスを見出す人もいますが、危機感を感じる人も。北京南駅付近を走るタクシー運転手は、乗客が減るのではと心配そうな表情を浮かべていました。また、地下鉄2号線の「宣武門駅」近くで、30年前から新聞や雑誌などを販売しているニュース・スタンドも、売り上げ減少に悩んでいました。「昔はここ(宣武門駅)まで来ないと地下鉄に乗れなかったけれど、いまはもっと南から乗れるので、人通りが減ってしまった」と販売員。
地下鉄4号線が市民生活に溶け込むまでまだしばらく時間がかかるでしょう。(文・写真:黄恂恂)
スケッチブック###地下鉄4号線
(形を強調した、白黒写真です)
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