中国の改革・開放の政策が深まるなかで、とりわけここ数年、市民の懐が豊かになるにつれて赤い紙に包まれた「圧歳銭」の金額は大きく膨らんできています。たいへん喜ばしいころであり、嬉しいことです。だが、ちょっとした不安が脳裏をかすめます。お金、お金で頭が熱くなり、肝腎の心、数千年にわたって家、家族が培かってきた年長者が子供たちに寄せる慈しむ心、子供たちが年長者によせる敬う心……こうしたかけがえのない宝物がないがしらにされてしまっては困るという心配です。
一家がテーブルを囲んで餃子を食べ、「圧歳銭」も登場する正月「春節」は七日間の連休、一家が集う一年で最大のセレモニーですが、ここ数年、一家で墓参りする清明節、一家でちまきを食べる月見をする端午節、一家で月餅を食べ月見をする仲秋節も、仕事は一日お休みと決められました。ますますクローズアップされているのです。仕事は一日休んで一家団楽してくださいという政府の心遣いでしょう。
お年玉を入れる赤い袋。 節日快楽(楽しい祝日)の字の下に、 爆竹で遊ぶ子供が描かれている。
家、家族を主体とした中国の伝統的な祭日という「教室」で、慈しみあう心、敬まいあう心、助け合う心、学びある心……といった人間が生きていく上で、とても大切なものを学び、磨き、深める、これは中国人が数千年かけて暮らしのなかで培かってきたかけがえのない財産なのです。
去年(2013年)から「敬老の日」と決められた重陽節を休日にしてはという声もあがっています。
早いテンポで成長する中国の経済、化学、文化、生活……、こうした大きな流れにハーモニーし独特の輝きを放つ民間の祭日、午どしの今年、こうした祭日を家族と一緒に友人と一緒に楽しみながら、いくらでも心を豊かにしていきたいと願っています。
|