いつ訪れても満員御礼の精進料理店がある。こじんまりとした店内には、家族連れ、カップルなどの地元住民で賑わっている。
中国語で精進料理は「素食」と言う。精進料理の精進とは「悪を断って善を行い、務めにに励む」という意味。精進料理に肉や魚を使わない理由は、自分が生きていくため、必要最低限の栄養だけを取るためだそう。肉や魚は栄養が豊富で、多くのエネルギーを生み、必要以上に精力がつきすぎると考えられているのだ。
北京にある中国美術館、その北東側に位置する「静思素食坊」は仏教徒のご夫婦が経営する、アットホームなお店だ。温厚なオーナー夫婦、笑顔で迎えてくれる店員、そんな評判を聞きつけて特に昼食、夕飯時になると地元住民で満席になる。
肉や魚を一切使わない料理名は、とてもユニーク。「好事不断」日本語で「好い事は途切れることなくやってくる」そんな名前の料理は、豆腐や各種野菜を串刺しに刺して焼いたもの。おいしいタレがかかっていて、人気メニューの一つ。
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「好事不断」 |
「春江水温」 | 各テーブルには仏教の教えが書かれたメモが置かれている。食事をしながらその教えを読むと、背筋がのび、生活の基本である「食べる」ということへの姿勢も変わってくるだろう。
「静思素食坊」
北京市東城区大仏寺東街甲18号 (電話)010-6400-8941
(美術館東街、三聯書店を北側へ。育群胡同の西側)
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