「798に行ったことある?」「798の展示を見に行こうよ」。。。今ではすっかり「798」で名を知られた場所が北京の北東部にあります。
1950年代、中国解放軍がソ連旧東ドイツに軍事品の生産を目的に提供した「798工場」を改築して建てられたのがこの「大山子798芸術区」です。今では敷地内に、レンガ造りのギャラリー、芸術家のアトリエ、本屋、服屋、カフェなどが密集しています。
現代アートの発信地とも言われている「大山子798芸術区」は、世界からも注目を集める北京のトレンドスポットと言えるでしょう。
日本人も多く住む酒仙公寓(アパート)の近く、北京国際空港へ延びる高速道路沿いに位置し、タクシーで行く場合、タクシーの運転手に「大山子芸術区」もしくは「798廠(工場)」と言えばたいていの運転手はわかるでしょう。
「北京東京芸術工程」を初め「百年印象撮影画廊」「空白空間」といった扱っている作風が全く違うギャラリーには、連日のように中国国内外から多くの現代アートファンがかけつけています。
「北京東京芸術工程」は、日本への留学経験もある黄鋭氏と日本の「東京画廊」の田畑氏が「大山子798芸術区」に最も早くにオープンしたギャラリーです。ギャラリーの壁には、当時毛沢東が掲げたフレーズが今でもはっきりと見えます。
「空白空間」というギャラリーでは頻繁に、海外のアーチストと中国のアーチストの作品を同時に展示しています。中国の有名なアーチスト、方力鈞や岳敏君なども「空白空間」での展示に参加しました。
「百年印象撮影画廊」は、北京で初の写真専門の画廊だそうです。ロフト式のギャラリーには、中国の写真家の作品が定期的に見られます。
「北京領袖服装服飾工作室」は、元々ファッションカメラマンだった向小麗さんがオープンさせた服屋です。オーダーメイドの服も注文できるということで、向小麗さんがデザインをし、弟の向小軍さんが裁縫をしていきます。
「果子」もオリジナルの服を売る服屋で、中国の「チャイナドレス」をアレンジした服や中国の布を使った着易い服が人気を集めています。中国国内だけでなく、海外からもよく顧客が来るそうです。
広い敷地を歩き疲れたら、カフェでお茶やコーヒーを飲んで休むのもいいでしょう。「at cafe」には、当時使用されていた家具がそのまま使用されており、「北京東京芸術工程」のオーナーでもある黄鋭氏がこのカフェを仕切っています。
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