「どの服も一枚か二枚しか作らない。私のお店に来るお客さんは皆、自分だけにあったオリジナルの服を求めにくるから。」デザイナーであり「美人記」のオーナーでもある謝蓉さんはそう語る。
北京で人気のスポット後海から歩いてすぐの小道「煙袋斜街」にある「美人記」は、そんな謝蓉さんのデザイン、個性に引かれてやってくる常連客が後を絶たない。
「中国の伝統的な服、例えばチャイナドレスやマオカラーの服、それらからヒントを得て、さらに現代人の生活スタイルに合った要素を加えてオリジナルのデザインに仕上げるのです。」「私の服に使う布は、天然の素材しか使いません。また、どの生地も植物で染めています。」
謝蓉さんは新たな生地を求めて、毎年雲南省などに出向くそう。また、彼女がデザインする服には、中国的なものだけでなく日本、ネパール、インドの要素を含んだものも多い。
謝蓉さんのお店にやって来る常連客のほとんどが、芸術や文化を相手にする仕事をしている30代の女性が圧倒的。謝蓉さん自身、30代後半。女性らしさを全面的に出すのではなく、女性の奥に秘めた強さが随所に表れた服が多い。
2005年4月末、北京の現代アートが直に感じられる「大山子798芸術区」内に、第二店舗目をオープンさせた。後海のお店よりも広々とし、さわやかな風が入り込む店内になっている。
お店に行くたびに、店内には新しいデザインの服が掛かっている。近いうちに、第三店舗目を三里屯にオープンさせる予定という謝蓉さん、ドラマや映画の衣装を依頼されるようになったという。ますます忙しく、そしてまだまだアイデアがいっぱいの彼女なのである。
「美人記」
煙袋斜街店:西城区鼓楼煙袋斜街38号 (電話)010-8402-2892
大山子店:朝陽区九仙橋路4号 (電話)010-8749-4131
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