2010年の上海万博を前に、老朽化が進んだ古い建物は取り壊され、上海の町並みはずいぶん変わってきています。しかし、昔の街並みがそっくりそのまま再現されている場所があります。それが「上海影視楽園」です。
「上海影視楽園」は、上海の映像会社が作った巨大な映画撮影所です。1920年~30年代の、いわゆる「オールド上海」の街並みを、そっくりそのまま再現したオープンセットやスタジオなどがあり、映画・テレビ・CMの撮影に使用されています。この撮影所は、1999年に一般公開され、観光客も気軽に立ち寄れるようになっています。
<行き方>
上海市の南西部にある「松江区」にあります。専用のシャトル・バスは、上海体育館のバスセンターから出ています。朝8時40分に上海体育館を出発、45分ほどで映画撮影所に到着します。帰りの便は、現地発13時30分となっ ています。シャトルバスは1日に1往復のみですが、人数がいれば、タクシーをチャーターして行くのもいいでしょう。
<入場料>
大人ひとり50元(日本円で700円弱)
<敷地内の様子>
まず、玄関を入ると、目の前に、かつて上海にあった西洋建築が再現されています。この洋館の中は展示室になっていて、かつての名優たちの蝋人形や、さまざまなチャイナ・ドレスなどが展示されています。この洋館の外に出ると、
そこはまさに、1920年代から30年代の上海です。当時の街並みが、原寸大で、再現されています。たとえば、上海の目抜き通り「南京路」。今ではもう面影すら残っていないのですが、当時は路面電車が走っていました。撮影所では、その路面電車をも再現して走らせています。電車の駅員さんも、ちゃんと当時の制服を着ていらっしゃいます。この路面電車は、撮影所内を一周する形で走っていて、観光客も乗ることができます。料金は無料です。
そのほか、信号の形や、壁に張られた広告や看板など、細かい部分も忠実に再現しています。
また、実際に映画の撮影を見るチャンスもあります。撮影のある日には、当時の衣装に身を包んだエキストラさんたちが場内をウロウロしています。運がよければ撮影現場を間近で見ることもできます。
<上海影視楽園で撮影された作品>
最近では、チャウ・シンチー監督の「カンフーハッスル」。また、チャン・イーモウ監督も、ここで撮影したことがあります。さらに、日本映画もこの撮影所を使用するケースがあります。たとえば、2002年織田裕二さんが主演した「T・R・Y(トライ)」や、本木雅弘さん主演の「スパイ・ゾルゲ」など。おもしろいところでは、「ゴジラ ファイナル ウオーズ」。アンギラスが上海で大暴れして人々が逃げ惑うというシーンがあるんですが、これはこの「上海影視楽園」で撮影されたのだそうです。
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