「桂林山水甲天下(桂林の山水は天下に甲たり)」ーーー桂林は、風光明媚な景勝地として人気があります。
<行き方>
ベトナムとの国境にある、広西チワン族自治区の東北部に位置します。日本からだと、東京や大阪などから、広州や上海経由で入ると便利です。また、福岡からは、武漢経由の直行便も出ています。日本からの所要時間は、5時間から6時間半ほどです。
<地名の由来>
「桂林」という町の名前は、「キンモクセイの林」という意味。「桂」の字は、中国語でキンモクセイを意味します。
実際、市内には45万本のキンモクセイの木があり、秋になると、いっせいに花が咲いて、町中が黄色くなるほどだそうです。
<漓江くだり>
桂林の中心部を流れる大きな川「漓江」。この「漓江」をフェリーで遊覧する「漓江くだり」は、桂林観光のメインイベントです。
「漓江くだり」のフェリーには、個人で乗ることができません。原則として、旅行会社が主催するパックツアーに参加します。こうしたツアーは、ホテルのフロントや旅行会社などで申し込めます。ツアーには、外国人料金と中国人料金があります。外国人ツアーは、400元から600元が相場です。
川くだりと市内観光がセットになった日帰りツアーでは、朝8時半ごろホテルを出発。旅行会社の乗り合いバスがホテルまで迎えにきてくれるので、安心です。バスで山を越え、1時間ほどで船乗り場に着きます。係員の案内で乗船し、10時ごろ、岸を離れます。
「漓江」は全長437キロある大きな川ですが、ツアーでは、桂林から陽朔までの83キロをおよそ4時間かけて進みます。この一帯の景色がいちばんきれいなのだそうです。
「漓江」の景観は、よく「水墨画のようだ」とたとえられますが、まさにそのとおり。石灰岩で出来た変わった形の山々の間を縫うように、ゆっくりと船が進んでいきます。岸辺では水牛が草を食み、雄大な自然を満喫できます。
「漓江」ぞいの山々には、おもしろい名前がついています。たとえば、「蝙蝠山(コウモリ山)」という山は、2羽のコウモリが羽を広げているように見えるので。また、「望夫岩」は、子供を背負って夫の帰りを待っている母親に見えるので、その名がつきました。
また、フェリーの中では、中国の家庭料理の昼食も用意されます。
<桂林民俗風情園>
桂林市内にある、少数民族の文化を紹介するテーマパークです。
桂林には、チワン族をはじめ、ヨウ族・回族・苗族・トン族といった少数民族が暮らしています。
係員もほとんどが少数民族出身で、民族衣装を身につけ、民族楽器や踊りを披露してくれます。園内には各民族の住居も作られていて、彼らの生活様式がわかるようになっています。
<桂林名物・ビーフン>
桂林には、ビーフンの看板を掲げたお店がたくさんあり、朝早くから夜遅くまでにぎわっています。日本では台湾などの乾燥ビーフンが有名ですが、桂林のビーフンは、ベトナムのフォーと同じ生ビーフン。やわらかく口当たりがいいので、地元では朝食に食べる人が多いようです。値段も1杯2元から3元ほど。食べ方は、ゆがいた麺をお椀に入れてもらい、そのうえに無料の香菜やつけもの、唐辛子などをトッピング。そこにトンコツや牛骨などを煮詰めたスープを少し入れてまぜます。日本の讃岐うどんみたいなイメージでしょうか。味は店によって違いますが、薄味でシンプルなので、日本人の口にも合います。
<デザートやフルーツの宝庫>
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羅漢果 | 桂林では、デザートが安くておいしいです。香港で売っているような亀ゼリーやカキ氷、マンゴープ洒リンなどを1~2元で食べることができます。また、ザボンや金柑、羅漢果などフルーツの産地としても有名です。
特に羅漢果は、桂林のあたりでしか取れない不思議な果物です。200年以上前から栽培がはじまり、世界各地に輸出されています。果実は緑黄色で、強い甘みが特徴です。解熱や咳止めをはじめ、健康にいいとされています。羅漢果の粉末が土産物として売られています。水に溶かして飲んでもいいし、砂糖のかわりにコーヒーに入れたり料理につかってもいいそうです。
<桂林三宝>
(1)三花酒(白酒)
(2) 辣椒醤(唐辛子のもっとも赤いものを乾燥させ、大蒜や豆鼓などをまぜたもの)
(3)豆腐乳(豆腐を乾かして発酵させ、塩味をつけたもの)
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