・ 主な登場人物

　包　拯：浄（銅錘花臉）

　龐　妃：旦

　王　朝：浄

　馬　漢：浄

・ あらすじ

　『打鑾駕』は以前紹介した『赤桑鎮』の前に起こった出来事です。

　陳州が天災に見舞われ、住民たちは命からがらの状態でした。それを知った皇帝は「国舅」（妃の兄）龐氏を陳州へ救済のために派遣しました。しかし、「国舅」の龐氏は陳州の住民を助けるどころか、かえって住民たちから財宝を奪い取ったので、辺りには怨みとも嘆きともつかない声がひびいていました。陳州の住民たちは耐えられず、「開封府」へ行き、包拯に助けを求めました。包拯は直ちにこのことを皇帝に伝え、「真相を明らかにせよ」という命令を受け、陳州に向かいました。が、皇帝が命令を下すと同時に、龐氏の妹の龐妃は包拯が陳州に赴くことを知って、兄を助けるため、皇太后の「鑾駕」（皇太后専用のかご）を借りて、包拯の行く手を何度となく遮りました。包拯はついに「鑾駕」の中は皇太后ではなく龐氏の妹の龐妃で、わざと妨害していることを知り、とうとう「鑾駕」を打ち砕いてしまいました。