王さんも楊さんも80年代以降生まれの"80后"世代。業者任せの結婚式に満足せず、今回は挙式だけでなく、招待状作りから披露宴の形など、すべて自分たちのスタイルを貫徹したと言います。
　披露宴は教会から徒歩5分のホテルで行われました。円卓を囲んで、お楽しみ会も兼ねての従来のスタイルとは違い、料理やデザートを自由にとって食べるビュッフェ形式でした。
　「好きな料理を好きなだけお腹いっぱい食べて」との2人の気持ちの表れでした。
　傑作なのは、ホテルロビーの電子アルバムに写った結婚写真でした。そこに写し出されたのは平安朝の一幕。なんと、烏帽子姿の新郎に十二単姿の新婦でした。

　中国の結婚写真セットに源氏物語の衣装があるとは聞いたことがありません。一体そのわけは？なんと、コスプレの力にあるようです。
　新婦の楊さんは日本漫画のファンで、コスプレもよくしていました。その仲間で、いま広州にいる友人が手作りの衣装を調え、届けてくれたそうです。お化粧も本格的です。寄り添って、見詰め合う二人の目と表情は、どことなく奥ゆかしく、神秘的な美しさが漂っています。王朝絵巻の世界そのものでした。微笑ましく見させてもらいました。