杭州から南に車で40分ほど。「銭塘江」という大きな川では、毎年、中秋節の頃、川の流れが逆流するという不思議な現象が起こります。
「銭塘江」は、浙江省でいちばん長い川で、全長は605キロ。安徽省の懐玉山脈のあたりが水源で、キーマンなどを経由し、最後は杭州湾に流れ込みます。
大逆流は1年に1度、中秋節の頃に起こります。この時期はもともと潮の落差が大きく、しかも台風の季節で水量も増えています。太陽や月の引力で満潮になると、大量の海水が、「銭塘江」に勢いよく流れ込むのです。
特に、旧暦の8月18日には、いちばんの大逆流が起きるとされていて、この日は観光客がどっと押し寄せます。大逆流してくる波の高さは大体3~5メートルほど。ゴウゴウと唸りを立てながら流れ込んでくるようすは、迫力があります。データによると、いちばん大きな波は9メートルほどあったそうです。
「銭塘江の大逆流」は、昔から、「天下の奇観」と言われてきました。この時期、杭州方面を旅行されるのであれば、「銭塘江」のほうへ足を伸ばすのもよいかもしれません。(旧暦の8月18日=今年は9月21日)
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