中国では、日本語学習者、また学習塾や日本語教材などが増えています。北京市西北部にある「中央民族大学」でも、去年9月新しく日本語学科が設置されました。国際交流基金の調べでは、中国で日本語を学んでいる人は、現在39万人以上。ラジオなど自宅で勉強している人を含めると、さらに多いといわれています。
中国には日本の企業も増えているため、日本語を話せる人材が必要とされており、このため勉強を始めるという人は多いのですが、日本のアニメが大好きで日本についてもっと知りたいから、こういった意見もよく聞かれます。
現在、中国では外国語として、英語を勉強する人が最も多く、つづくのは日本語です。この2つの言語は圧倒的な人気を誇っています。日本語学習の第1次ブームは、1972年の日中国交正常化のとき。第2次ブームはテレビ講座の放送も始まった80年代半ば。そして今、とつながります。1993年に日本語能力試験が一般公開で行われるようになると、受験者も増え続け、今では申し込みの時期に願書が足りなくて受けることができないという状況も続いています。昨年2004年度は中国大陸全体で9万人以上がこの試験を受験しました。
取材した中央民族大学は、中国56の民族すべてが集まり、少数民族教育の最高学府と位置づけられており、生徒たちも各地から集まったエリートの秀才ばかり。朝から晩まで日本語を猛烈に勉強していました。
日本語学科、雲南省出身のイ族・費小芹(ひ しょうきん)さんは、ふるさとについて「とてもきれいな場所」と語ります。この「イ族」、人口は650万人をこえ、主に中国の西南・雲南省を中心に居住している少数民族です。
|
|
イ族の民族工芸品 |
費小芹さん | また、「ふるさとで有名なものは たばこです」と紹介してくれましたが、そのほか「漢方薬」も有名です。「白薬:白薬 bai yao」は血を止める、止血の作用がある薬として、海外でも販売されています。食べ物で有名なのは「米線」。お米でできた麺のことで、中国西南部ではよく食べられています。スープの味もあっさりしていて、日本人好みの味といえるでしょう。
各少数民族はそれぞれ独特な習慣、お祭りをもっていますが、イ族の最も盛んなお祭りは「火把節 huobajie」。これは燃え盛る「たいまつ」のお祭りという意味で、厄除けと豊作を願って行います。闘牛、レスリングまであり、また男女は互いに着飾ってフォークダンスを踊り、ここは一種のお見合いの場ともなっています。このお祭りは、毎年旧暦の6月24日から2日間行われ、今年は7月29日と30日です。イさんも大学が休みのこの時期、実家に帰って参加すると話していました。
そんな費さんの将来の夢は「大好きな日本の化粧品と洋服を扱う会社を作ること」。日本語学習者の目指す道はそれぞれですが、確実にここ中国では日本語学習者が増え続けています。
|