旧暦の8月15日は中秋節。中国では、旧正月につぐ、伝統的な祝日です。
中秋節のころは、「月到中秋分外明(月は、中秋節のころがとりわけ明るい)」と言われ、古くから月を賞でる風習がありました。その中秋節にかかせないお菓子が月餅(げっぺい)です。
月餅はまさに、月のように丸い形をしています。明の時代、月餅を縁起物として食べるという習慣が始まったんです。この日は一家団欒食事をして、月をながめ、月餅を切り分けて食べます。この日は他の約束を入れず、家族と過ごすのを優先させる人が多いようです。
また、友人や家族に月餅を贈る風習もあります。毎年、8月になると、「月餅商戦」がはじまります。食料品店はもちろん、ホテル、デパート、レストランも月餅の特売コーナーを設けて、オリジナルの月餅を販売します。日本のお中元やお歳暮のシーズンを思い出します。
特売コーナーには、いろんなメーカーの月餅がズラリ。どれも豪華な箱に入っています。値段は、安いものでひとつ6元くらいから(日本円で80円くらい)。箱入りのセットだと、大体100元くらいから。高いものだと、300元くらいのも見かけました。
月餅は、見た目が日本のお饅頭と似ているので、「あんこが入った甘いお菓子」というイメージを持つ方も多いでしょう。もちろんあんこ入りのものもありますが、塩辛いものや、肉やハム、野菜などが入ったものもあります。最近では、それぞれのメーカーがいろいろ趣向を凝らしてユニークな月餅が登場しています。たとえば、フカヒレやツバメの巣が入ったもの。北京ダックの味がついたもの。
また、若い人たち向けに、チョコレートクリーム入りを出したメーカーもあったようです。冷やして食べるとおいしいんだそうですよ。あと、地域によっても月餅の個性が違います。
今年の中秋節は、新暦で言うと9月18日(日)。みなさんもぜひ、月餅を切り分けて、ご家族で名月を賞でてはいかがでしょうか?
|