「ああ。お客さんは何を注文するんだね?」
これに乾隆帝はむっとなったが、いまは腹の虫を治めるのが大事だとおもい答えた。
「うん。うまい料理をここに運べ」
これを聞いた店の小僧、「なんだ?田舎もののくせに!うちの料理は高いんだぞ。そんな金持っているのか?」と思い、黙って奥へいくと、この店で一番安い料理を乾隆帝の前に並べた。そこで乾隆帝は何も聞かず箸を取り、食べ始めたが、どうもうまいとはいえない。
「うん?この店にはもっとうまいものはないのか?」
これに小僧は、横目で乾隆帝を見て答える。
「ありませんね。お客さんはそれで十分でしょう?」
乾隆帝はこれに怒りそうになったが、そのとき、他の小者がうまそうな匂いがする立派な魚料理を載せた大皿をかの店の主たちがいるところへ運ぼうと奥の厨房から出てきた。これを見た乾隆帝は、「あれをここへもて」という。
かの小僧はこれに目を丸くし、「あんた、あれはたかいんだよ?そんな金持ってるのかい?」と聞く。乾隆帝はこの小僧を相手にせず、大皿を手にしている小者に「これ!その料理をここに運べ」と声を大きくしていった。こちら声を掛けられた小者は、「なんという客だ、とんでもないことを言い出して」と、乾隆帝を睨んでそのまま行こうとした。もちろん、乾隆帝は、それまでの小僧の自分に対する扱いに頭にきており、いま、この小者も自分を馬鹿にしているので、我慢ならんと箸をつけた料理の皿を手で取ると、その小者めがけて投げつけた。もちろん「ガチャ?ン」というものの壊れる音に店中はびっくり。
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