■残された課題 うわべだけの理解からの突破
ところが、展示会ではいくつか「不満」の声も聞こえました。
「物品販売がなくて、お土産に買って帰ろうと思ってもできない」、
または、「観光資源の紹介は良いものの、その場で行きたいと思う人に備えての対応をしてほしい」、などです。
金融業の会社を経営している33歳の男性・李さんは、年に4~5回海外を旅行し、これまで日本に2回旅行したことがあります。「せっかく会場で興味が湧いてきたのに、家に帰ると日々の仕事に追われて、熱がすぐ冷めてしまう。実際行動に結びつくような展示会をやればよい」と熱く感想を聞かせてくれました。
一方、中国と日本の距離が近づきつつあり、交流もどんどん増えてきていることは事実ではありますが、一方では、まだまだ中国人の日本理解はうわべのものにとどまっていると心配そうに感想を聞かせてくれていた来場者も何人もいました。
iPadを手に展示パネルの写真を撮る来場者
「日本に行って、数日間の旅をして、『日本に行ってきた』と満足して帰る人が多いが、そんなに上辺だけの日本観光をして『日本』を卒業する人も多いようです。それよりも深いところまで日本の社会を観察し、じっくり相手の良さを見出だして、それで初めて自分たちの国づくりや社会作りに役立つのに」、と李さんはどこまでも異文化理解の深さを求めるべきだと指摘しました。
大学生の顔さんも、「周りでは、日本というと、中国と死活を争うライバルか、天国のような理想国という両極端でしかとらえられない人が多い。等身大の日本を知り、日本人の喜怒哀楽、日本社会の良し悪しを見つめようとする人が少ない。どうやってうわべだけの日本観察を脱出するのか、大きな宿題です」と話しました。
「国民交流友好年」の幕開け。中日の一般国民間の相互理解には、喜ばしい動きも現れたと同時に、課題も残る形でスタートが切りました。(王小燕)
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