漢詩は、ときにはわたしを励まし、ときにはわたしを慰め、ときにはわたしの心を洗い清めてくれる。訓読の訳文に加えて、素人のまったくの「遊び」だが、和漢折衷の自己流の戯れ訳を添えてみた。日本の歌人の名訳を添えた詩もある。読んでいただければ嬉しい。
子供のころから雲を見るのが好きだった。とりわけ、夏の雲にはいろいろの思い出がある。もくもくと湧きあがる入道雲、浜辺によせるさざ波のようなうろこ雲、ふわふわ浮かぶわた雲‥‥‥、形も変る、色も変る、大きさも変る‥‥‥。そんな雲をぼんやりと一人眺めながら、あれやこれや将来の夢を描いた日が懐かしい。中学のころ、友人が大人っぽい口調で「人生は流れ雲のようなものだよ」と言ったのが、とても印象深かった……