第三句の荘周は荘子のこと、荘子の名は周(紀元前三百年ごろの人)。荘子が夢で蝶になって春の花園を楽しんだという故事は『荘子』斎物論編にでてくる。「蝴蝶の夢」ということばの出典だ。
作者徐寅、つまり(青虫)も荘子に学んで蝶になって春の庭で遊びたいというわけだ。中国人のユーモア感覚が感じられて面白い。
ちなみに、日本で知られる荘子の名言には、「蟷(とう)螂(ろう)の斧(おの)」、「明(めい)鏡(きょう)止(し)水(すい)」、「朝(ちょう)三(さん)暮(ぼ)四(し)」、「名料理人、庖(ほう)丁(てい)」、「莫(ばく)逆(ぎゃく)の友(とも)」などもある。
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