(個展開催中のカフェ「2nd place」)
五道口の繁華街に面したビルの一室にオープンした「2nd place」ですが、驚くことにこのカフェ・バーが入るフロアには、林さんと同年代の若い中国人経営者が経営する会社がいくつも並んでいるのです。
旅行会社や語学学校など経営内容はさまざまですが、彼らの思いは一つ。
――ハッピーで素敵な留学生活をデザインするお手伝いをしたい。
「僕自身がサポートされっぱなしできているので、次は自分が北京で起業を考えている若者や頑張ってる若いアーティストさん達をサポートしてあげれるようになりたいと思っています」。
そう話す林さんは、今後の展望についてこうお話してくれました。
「このカフェ・バー(2nd place)を拠点として、同じフロアで頑張っている中国人経営者たちと一緒に、そしてカフェ・バーの立ち上げをサポートしてくれた石村さんと一緒に、北京の留学生活全般をサポートして行けたら、と思っています」。
もちろん、具体的なプロジェクト内容も。
「まずは、『北京生活情報サイト』を立ち上げて国内外に情報を発信します。それから、北京への留学を仲介したり、北京に来てからの生活サポートも視野に入れています。また、これは12月17日に第一回を行う予定なのですが、2nd placeで毎月交流会を開催し、たとえば今回は中国茶の講座を組み込んだり、日本の食べ物としておでんやおにぎりを提供したり、そうやって国際的な文化交流の場を作って行くことも、プロジェクトのもう一つの目的です」。
そして最後に、華僑3世という社会的な呼び名と背景を持つ自らの立ち位置についてお聞きすると、「特に意識したことは無いです」と林さんは言います。
「僕はスポーツに打ち込んで来ましたから、スポーツの世界では言葉とか国籍はあんまり関係ないですし。日本で中華学校に通っていたときは、『中国語なんて勉強したくないのに!』って思ったことはありますが、正直それって誰にでもある『思春期の反抗』みたいなものだと思います。僕の場合はそれがたまたま『中国語』だったってだけで」。
グローバル化によってさまざまな環境に生まれてきた子供たちが、今後の世界を担っていくことになります。
林さんの場合は、自分の立ち位置を明確には決めずに受け入れているようですが、中には自らのアイデンティティーの答えを自分に問い、答えを出している若者もいるでしょう。大切なのは、こうしてさまざまなバックボーンを持つ若者同士がそれぞれの夢に向けて手を取り合っているということ。そうした若者たちの姿に、「これからの交流」を垣間見られる気がします。
(写真提供:司馬蕗楠さん、文:中原美鈴)
「コレ若」シリーズ第10弾、来週の第2回は、林同勇さんのカフェで個展を開催した司馬蕗楠さんをご紹介します。
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