シーサンバンナは中国西南部の雲南省に位置する熱帯雨林で、中国の最も美しい辺境と呼ばれます。ここに住むタイ族は毎年4月中旬「タイ族暦の正月」に新年を迎える行事、水かけ祭りを行います。水かけ祭りは、もともと仏像や仏塔へ、さらに家族の年長者などの手に水を掛けてお清めをするという伝統的な風習からはじまったとされています。祭りの期間中、人々はお互いに水をかけあって、新年を祝います。
水かけ祭りの日に綺麗な民族衣装を着たタイ族の人々は、お寺に出かけ、女性達は川から清らかな水を汲み上げてきて仏像を清め払います。若者たちは山から綺麗な花を採って来て供えます。夜、人々が広場に集まり、どらや太鼓を打ち鳴らして広場で輪を作って民族舞踊を踊ります。街のあちこちから楽しい音楽が聞こえ、新年を祝うお祭りのムードが漂ってきます。
タイ族の住むシーサンパンナは、昔から「孔雀の故郷」と呼ばれています。タイ族には、古くから孔雀に関わる民話が多く残されています。そのうち、叙事詩「孔雀姫」は1980年代に映画化され、評判を得ました。この叙事詩のストーリは次のようです。
昔、チャウ・スートンというタイ族の王子は猟に出た時、湖に沐浴に来た孔雀国の姫、美しいナマロナと出会い、二人は恋に落ちました。やがて戦争が起き、チャウ・スートン王子が軍隊を率いて出征しました。国王は悪人にけしかけられ、ナマロナを不吉な者として殺すように命令しました。ナマロナは難を逃れるため、孔雀国に帰国せざるを得ませんでした。凱旋してきたチャウ・スートン王子はナマロナの帰国を知り、孔雀国へ行き、愛しい人を探しそうと決意します。そして、数多くの困難と危険を経て、チャウ・スートン王子とナマロナは、再び一緒になる事ができたのでした。
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