今回の中国メロディーは引き続き馬頭琴作曲家で、演奏家のチポリコさんの馬頭琴作品をご紹介いたしました。
チ・ポリコさんは中国において人間国宝と言われる馬頭琴演奏家です。彼は馬頭琴の演奏だけでなく、作曲、楽器の改良などの面でも大きく貢献し、偉大な音楽家と讃えられています。
チ・ポリコさんは馬頭琴の演奏技法に改良を加え、それまでの独奏・伴奏しかなかった馬頭琴をアンサンブルできる民族楽器に改良しました。改良後、馬頭琴は交響楽団での合奏にもよく使われ、芸術的表現力がいっそう豊かになりました。
中国馬頭琴学会の会長を務めるチ・ポリコさんは国内外で馬頭琴の養成クラスを何回となく開き、その弟子は6000人以上に及んでいます。また、彼は「野馬」という初の馬頭琴アンサンブルを結成し、アジア、ヨーロッパ、アメリカ、アフリカの多くの国を訪問し、数百回に及ぶコンサートを行いました。
チ・ポリコさんは世界の音楽の都と言われるウィーンのゴールデンホールで馬頭琴コンサートを催した、ただ一人の中国人演奏家です。チ・ポリコさんはその際「800年前、私の祖先はヨーロッパに侵攻したことがありますが、今、チンギスハンの子孫として私たちは平和と愛にあふれる音楽をもって再びヨーロッパを訪問しました。平和は人類の太陽で、平和がなくなれば、人類は一面の闇に陥るでしょう」と話しました。
ここ数年、チ・ポリコさんは音楽を通じて中国と世界の人々との友情の輪を広げるために多大な努力を注いできました。世界音楽平和賞や世界遊牧文化の最高賞とされるチンギス・ハン賞など多数の国際的な賞を受賞しました。
現在、チ・ポリコさんは中国やモンゴルで広く親しまれるだけでなく、日本でも多くのファンを持ち、広く知られています。彼は「私は心から日本の皆様に感謝します。限りある人生の中で、私は必ずや日中の友好を永遠たらしめんと奮闘努力いたします。私の第2の故郷・日本を永遠に熱愛します」と話しています。
今回の番組の中でご紹介したのは「鄂尔多斯高原(オルドス高原)」、「克日伦河(ゴンゲレン河)」、「嘎达梅林(ガーダー・メイリン)」、「荒城の月」4曲でした
1曲目 鄂尔多斯高原(オルドス高原)」
この曲はチ・ポリコさんのヒット曲です。チ・ポリコさんが1963年に作曲した馬頭琴合奏曲で、史上初の馬頭琴合奏曲と言われます。
2曲目 克日伦河(ゴンゲレン河)
この曲はチ・ポリコさんが2005年にゴールデンホールで演奏したものです。
ゴンゲレン河はモンゴル共和国の首都・ウランバートルの東240キロに流れる川で、その流域の草原はモンゴル帝国の初代皇帝・チンギスハンの故郷です。
この曲はチ・ポリコさんが大草原を旅した際に訪れたゴルゲルン河の美しさに感銘を受け、作曲したものです。チ・ポリコさんにとって、草原を流れる川はとりわけインスピレーションを喚起する存在のようです。
3曲目 嘎达梅林(ガーダー・メイリン)
ガーダー・メイリンは草原を守った蒙古族の英雄です。曲はガーダー・メイリンの生涯を歌った民謡を元に作られた作品です。
4曲目 荒城之月 (荒城の月)
滝廉太郎の名曲「荒城の月」を元にアレンジした馬頭琴四重奏曲です。チ・ポリコが積極的に演奏したことにより、この曲は馬頭琴のレパートリーとして定着しました。四重奏用の編曲では転調がおこなわれ、高い音域へ移ることによる音色の変化も味わうことができます。
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