2月24日は中国の伝統的なお祭り・元宵節です。元宵節は旧正月に続く最初の大切な祝日で、また旧暦の新年、最初の満月の日です。この日は中国各地の人々は「元宵」という団子を食べたり、飾りをつけた燈籠を鑑賞したりしてこの祝日を祝います。
元宵節は、旧暦の一月十五日の満月の夜を祝うという意味です。この元宵節を迎えてようやく春節気分は終了します。この日、中国の北方では「元宵」を、南方では「湯円(とうえん)」を食べる習慣があります。元宵も湯円も同じもち米粉の丸いお団子です。中にはさんざしや小豆、ごまなどで作った餡を入れてとても美味しいものです。このお団子を食べてると、家族円満になると言われています。
元宵節は上元節や灯籠祭りとも言います。元宵節の夜は、どの家でも門の前に灯篭が掛けられます。これについて次のような伝説が言い伝えられています。
紀元前180年。漢の時代の皇帝・漢文帝は正月15日に皇帝の座に上りました。これを祝賀するため、漢文帝はこの日を灯篭祭りにしました。それ以降、毎年この日の夜は、皇帝、大臣から一般の庶民まで、また、ふだんは部屋に引きこもっている娘たちも、町へくりだし、美しい灯籠を楽しむようになりました。そして、今でも、元宵節には灯籠や花火を楽しんだりする習わしが伝えられているのです。
中国の農村部では元宵節になりますと、家々の門に赤い灯籠が掛けられます。子どもたちは飾りつけしたちょうちんを手に提げて遊びます。また、広場や町には灯籠の棚が建てられて、美しい灯火が輝きます。夜になりますと、人々は家族と共に町へと灯籠を見に出かけます。そのため、元宵節は「灯籠祭り」とも呼ばれます。
さて、今回の中国メロディーは元宵節をテーマにした音楽をご紹介いたしましょう。番組の中でご紹介したのは「売湯円(湯円を売る)」、「人約黄昏後(彼と契った黄昏)」、「挂红灯(赤い灯籠)」、「正月十五日闹雪灯(雪灯篭を楽しむ)」4曲でした。
M1 売湯円(湯円を売る)
この唄は中国全土で知られる台湾民謡です。「湯円を売る、湯円を売る、兄さんの湯円がまん丸い。湯円を食べたら、円満になる」という唄です。
M2 人約黄昏後
これは、台湾の歌手・テレサ・テンの曲で、古い漢詩を基に作られたものです。1983年に発表された作品で、今から千年前の詩人・歐陽修の漢詩に曲をつけたものですが、とても聴きやすい歌です。千年前の古典を現代に蘇らせることに成功し傑作だと讃えられています。また、台湾で生まれ育ったテレサ・テンの大陸への思いを反映したものだといわれています。
歌詞は次のようなものです。
去年の元宵節の夜 花と灯りが昼のようだった
月は柳の上に懸かり あなたとたそがれの後を約した
今年の元宵節の夜 月と灯りは変らないのに
去年の人がいない 涙が春の袖をぬらす
M3 挂红灯
この唄は陝西省の民謡です。乙女が恋人と新年を迎える喜びをいきいきと描きました。
歌詞は
お正月だよ、新年だよ。
赤い灯籠を門の框に掛ける。
灯籠が風に吹かれてころころと回る
私と彼氏が新年を祝う
M4 正月十五日闹雪灯
この曲は山西省の民謡を基に作られたチャルメラの名曲です。曲の中で、チャルメラが明るく賑やかなメロディーで、人々が元宵節を祝う喜びをうまく表現しています。
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