2月に入りますが、北京はまだ厳しい寒さが続いています。中国では風雪に耐えて、冬でも葉に翠(みどり)をたやさない松と竹、寒さの中で他の花に先駆けて美しく咲く梅を、古くから寒い冬の三つの友、『歳寒三友』と呼んでいます。この言葉は日本にも伝わり、めでたいことを表す言葉として使われていますね。
前回の中国メロディーは歳寒三友の中の梅をテーマにし、梅を讃える音楽を取り上げました。今回は竹がテーマです。番組の中でご紹介したのは「月光下的鳳凰竹(月明かり鳳凰竹)」、「湘妃竹(しょうひちく)」、「紫竹調(紫竹の調べ)」、「竹林深処(竹林の中で)」です。
中国では竹は節を真っすぐ伸ばして成長し、その中は空洞のことから、隠しことのない君子の生き方に例えられます。一方、日本では竹は成長が早く、その生き生きとした様子から長寿の象徴と言われていますね。中国西南部の少数民族地方では、うっそうとした竹林は少数民族の若者達が出会って、恋を語るデートの場となります。
1曲目 月光下的鳳凰竹
鳳凰竹は竹の一種で枝葉が鳳凰の尾に似ていることからこの名があります。この曲は作曲家・施光南氏が1980年代に創作したもので、中国人なら誰もが知っている名曲です。
美しい月夜、タイ族の若者がフールー笙の優しい音色で好きな娘に愛を告白する場面を描いています。フールー笙は笙の一種で、雲南省と貴州省あたりの民族楽器です。
では、この唄の歌詞をご紹介しましょう。
月明かりの鳳凰竹よ、
まるで柔らかな緑の霧のよう
美しい娘よ
まるで目を奪う夜光の真珠のよう
聞いてください。
どれだけのフールー笙が
君に愛を告白するのか?
金色の孔雀のような娘よ
なぜ君の窓をまだ開けないのか。
2曲目 湘妃竹
「湘妃」とは中国古代の伝説上の君主・舜(しゅん)帝の妃・娥皇と女英の二人のことです。舜帝がなくなってから、二人の妃は彼のことを思って泣き、流した涙は竹に付いて斑点となったとの伝説から「湘妃竹」と言います。この竹は今も湖南省の最大の川・湘江の辺りで見ることができます。
この曲は1980年代に創作された作品で、流れる水のような古筝の旋律は雨がやんだ後の、竹林の美しい景色を表現しています。
3曲目 紫竹調
この曲は、有名な歌手・朱明瑛さんが歌ったものです。朱明瑛さんは1985年に中国中央テレビ局の新年番組・「春節の夕べ」で「実家に帰ろう」という歌でデビューしました。その素晴らしい踊りと魅力ある声は、多くの観客を虜にし、朱明瑛ブームを巻き起こしました。
「紫竹の調べ」という曲は上海の地方劇・滬劇の名曲です。
歌詞は
可愛いい娘よ
花摘みに忙しい
紫竹の籠を手に持ち
紫竹の花を胸の前に飾り
こちらの山からそちらの山に
まるで蝶が花畑で飛んでいるようだ
4曲目 竹林深処
この曲も若者が竹林で娘に愛を告白するものです。
曲はフールースという独特の民族楽器で演奏されたものです。フールースは笛の一種で、中国西南部の雲南省のタイ族に伝わる民族楽器です。音色がしなやかで美しいことから、演奏者の思いや感情を表現しやすい楽器です。タイ族の村では若者はこのフールースをうまく演奏できなければ、美しい娘の心を捉えることは難しいのだそうです。
「竹林の中で」という曲は、静かな夜、竹林の中で若者がフールースで娘に恋を伝えます。その優しい音色と若者の気持ちに包まれた娘が恥ずかしがってる様子を表現しています。
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