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医者と狼(再放送)

2010-03-23 15:42:00     cri    

 大福はこれを聞いてめまいがした。で、そこにはことを調べるため上から役人がきていたので、県令はこの役人に事情を話してから大福の罪状を並べた。

 実は、大福が狼を助けた二日前、地元の寧泰という商人が、旅の帰りに妻の実家に立ち寄って土産をわたし、ついでに妻が先月実家に戻ったとき置き忘れた首飾りと腕輪を持って家に帰るその途中で何者かに殺され、金目のものがすべて奪われた。翌日、夫が帰ってこないので何かあったと商人の妻が役所に届けたので、役人たちが調べに出ていた。すると郊外で人が殺されたという知らせが入り、役人たちが妻を連れて行き、殺されたのが商人だということがわかった。そして商人の妻が何を奪われたかを言ったので、下役人が次の日に商人の妻を連れて質屋などで見張っていたところに、大福が質屋にきて、その質に入れるものを商人の妻がみて、これは奪われたものだと証言したのである。

 これを聞いた大福は、とんでもないと必死になり、自分がどうして首飾りと腕輪をもっているわけを話した。ところが、狼からそれを貰ったなどと県令たちは信じない。そこで大福がうそはつかないと申し立てたが、県令は大福は人を馬鹿にしていると決め付け、すぐに処刑をまつ牢屋にぶち込んでおけと命じた。

 もちろん大福は自分は悪いことはしていないと泣き叫ぶ。すると、それまで黙って大福の表情を見守っていた上から来た役人が、県令に何か耳打ちした。

 すると、県令はしぶい顔をしたあと下役人に、「こやつと一緒に山に入り、その狼とやらを捜しに行け」と命じた。これを聞いて大福はもっともだと思ったが、狼を探しに行けと命じられた二人の下役人は目の色を変えた。が、県令の言いつけだから仕方がない。そこで大福を連れ、かの大福が狼に出会ったところにきてかなり待ったが狼は出てこなかった。しかたなく来た道を戻っていると、なんとかの二匹の狼に出くわした。驚いた下役人が逃げようとするが、縛られている大福が、一匹の狼の頭に包帯がしてあるのを見て、助けたのはこの狼で、首飾りなどをくれたのはもう一匹の狼だと役人を引き止めて必死にいう。しかし、二人の役人は恐ろしくてその場に突っ立ったまま。こちら二匹の狼は大福を覚えていたのか、襲ってはこずにこちらを見ているだけ。そこで大福が狼に一礼していう。

 「これは狼どの。あんたの妻の頭の出来物をわたしが治し、お礼として首飾りなどを貰ったけれど、そのためにわたしは罪をかぶされましたぞ。もし、あんたらが証明してくれなければ、私は処刑されあの世行きとなるのでなんとかしてほしい!」

 これを聞いたかの二匹の狼、命の恩人である大福が縛られていることに気付いたのか、大福らめがけて突っ走ってきた。これをみた役人はあわてて刀を抜き構えた。こうして双方はにらみあっていたが、そのうちに狼が大きく吼えた。すると遠くから同じく狼の吼える声が聞こえ、なんとあちこちから狼がやってきて

 あげくは百匹近くの狼がここに集まった。これに下役人だけでなく、大福すらも震えだした。するとかの二匹の狼が大福に飛び掛り、なんと縛ってある縄を噛みちぎろうとする。これを見た下役人は、大福の縛りを解かないと狼たちにやられると思ったのか、狼をしりぞけ、大福の縛りを解いた。

 すると見た狼たちは、吼えるのをやめてそれぞれどこかへいってしまった。こうして二人の役人は冷や汗かきっぱなしで大福を連れ役所に戻り、ことの仔細を県令に報告した。これに県令は驚き、さっそくかの上から来た役人を呼び、ことを話したところ、この役人は、まずは大福を痛めつけずに牢屋に入れておくよう県令に勧めた。

 こうして何日かたったある日、この上から来た役人が用があって郊外まで行くと、なんと一匹の狼が片方の靴を咥えてどこからか出てきて、この役人の見えるところに靴を置いてどこかへ行ってしまった。

 「うん?何だあの狼は?」とその靴を拾い、これには何かあると思い役所に持ち帰った。そして県令にこの靴を渡し、ことの仔細を話したあと、この靴の持ち主を探すよう県令にいう。そこで県令は数人の部下をやってこの靴の持ち主を探させた。

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