さて、次の日、大福は狼から貰った首飾りや腕輪を金に換えるため町の質屋に入りものを取り出していると、近くに一人の女と二人の下役人風の男がいて、その女は大福が袋から出した首飾りと腕輪をみて叫んだ。
「それです!それが実家に忘れてきたわたしの首飾りと腕輪です!」
当の大福は、この知らない女が自分が取り出したものを見てこう叫んだものだからびっくり。すると横にいた二人の下役人風の男が、なんと大福を縛り上げ、「おまえか!役所までこい!」といって外に引っ張り出した。
大福は何のことがさっぱりわからず、叫んだ。
「いったいなんです!どうしてわたしを捉えるのです!私は何も悪いことはしていませんよ!」
「つべこべいうな!言い訳があるなら、役所で言え!早く歩け!」
こうして大福は役所に引っ立てられ、無理やり県令のまえに跪かされた。大福は必死である。
「申し上げます!わたし大福は何も悪いことはしておりません。どうしてわたしをここに引っ立てるのでございますか?」
これを聞いた県令はニヤニヤしている。
「ふふふ!そう騒ぐな!お前が下手人であることははっきりしておるのじゃ!」
「なにがはっきりしているのですか?」
「お前が人を殺し、金目の物を奪ったことじゃ」
「えっ?わたしが人を殺して金目のものを奪った?」
「ばかもん!お前が質屋で金に換えようとした首飾りと腕輪が証拠じゃ!」
「ええ?!」
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