アメリカ上院が「通貨為替監督改革法案」を可決したことを受け、中国政府が強硬な反対を示しており、中国メディアでもこの話題を大きく取り上げています。専門家は、「中国はアメリカに非常に大きな不満を示しており、法案の進展次第では、人民元の切り上げを緩める可能性がある」と中国による報復の可能性を指摘しています。
この法案は「為替相場が過小評価されている」主な貿易相手国から懲罰的関税を徴収することが柱となります。つまり法案が可決されたら、中国から懲罰的な関税を徴収することになります。
中国証券報は、人民元の取引レンジが拡大する可能性はあるが、すでに「妥当な水準」にあるためレートそのもの上昇の余地はないと表明しました。また、新華社は、国内総生産(GDP)に対する貿易黒字の縮小と最近の人民元相場の揺れにより、水準は「均衡」に近いと指摘しました。
6年で人民元対ドルはおよそ30.2%上がりました。元が上昇すれば、中国製品は海外市場で割高になります。でも、元の上昇は、中国の工場から世界中の顧客に製品を送り出しているアメリカの製造業者や、安い中国製品を歓迎しているアメリカの消費者にとってはマイナスです。
専門家は、家具、輸送機器、コンピューター・電子機器、電気機器・家電、プラスチック・ゴム製品、機械、金属製品の7業種がこれから中国市場を離れていきそうですと予測しています。
経済・貿易に詳しいアナリストは、「もし、米議会が人民元為替問題に特化した法案を可決すれば、長年続いている米中貿易戦争への懸念が現実となる。世界経済が混乱と衰退の状態に陥るだろう」と話しました。
中国国務院発展研究センター対外経済部の趙晋平副部長は、同法案は来年のアメリカ大統領選に向けたアピールだと指摘し、「法案が成立すれば、間違いなく米中貿易戦争が起きる」と警鐘を鳴らしました。
互いに世界で2番目に大きな貿易パートナーである米中両国の貿易戦争が起きたら、両国とって不都合なだけでなく、世界経済も混乱と衰退に陥る恐れがあります。
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