中国国家統計局が9日発表した8月の消費者物価指数(CPI)は前年同期と比べて、6.2%上昇となり、3年ぶりの高水準だった7月の6.5%から伸びがやや減速しました。エコノミストの予想とも一致しました。にもかかわらず、物価そのものは7月と比べて、やはり0.3%上昇しました。7月の物価はまた6月より0.5%上昇していました。一方、8月の生産者物価指数(PPI)は前年比7.3%上昇で、エコノミスト予想の7.2%をわずかに上回りました。前月比では0.1%上昇しました。
一番上昇したのはやはり食品価格です。国家統計局が発表したCPIの内訳によると、食品価格は前年比13.4%上昇、非食品価格は同3.0%の上昇でした。前月比では食品価格が0.6%上昇で、非食品価格が0.2%上昇。データによりますと、豚肉は45.5%、タマゴが16.3%、食糧が12.2%、水産品は14.7%とそれぞれ値上がりしました。
5月に入ると、タマゴが徐々に値上がりしてきました。6日商務省が発表したデータによりますと、今タマゴは1キロ10.31元(日本円で128円)に上り、前年同期と比べて、同じ100元(1250円)で買えるタマゴが、40個少なくなりました。タマゴはある意味では豚肉より我々の生活に密着しています。市場で調べましたが、たとえば天津では小売の価格は1キロ10元、先週はまだ9.4元から9.8元でしたが、現在はすでに10元を突破しました。そうすると、買う人は、一回で4個か5個しか買えません。
一方、南の深センは天津、北京をさらに上回っていて、現在1キロ13元に達しています。深センの市場でタマゴの小売業をしている李建栄さんは、「今年のタマゴは去年より20%ぐらい値上がりした。現在は1日経つと値段が違う。卸の価格も1キロ10.2元になったし、数日前より0.6元ほど上がった」と語りました。
北のほうで朝食としてよく食べられる煎餅、タマゴを使っています。今はもう0.5元ぐらい上がりました。そしてケーキの場合は、タマゴがコストの7割以上を占めているので、ケーキやパンなどもすごく値上がりしました。
その原因について、調査によりますと、ここ数年鶏の病気が多発して、鶏の数が急激に減り、養殖企業は今年まだ新しく補充していないそうです。2009年から2010年にかけて、国内ではある鶏の白血病が発生し、2500万から3000万羽の鶏が死んだそうです。ですから今年のひよこの価格は史上最高を記録しました。
特に、中秋節の前は、タマゴに対する需要が増える一方で、供給と需要のバランスが崩れてしまったので、値段ももちろん上がったというわけです。
ほかには、飼料も値上がりしました。トウモロコシは飼料の原料ですが、去年は1キロ0.9元、今年は1.2元と30%も上がりました。そして人件費が、去年は一日40元、50元ぐらいだったのに、今年は70元、80元に。
とうもろこしは飼料の中で60%から70%を占めています。去年1トンあたり1870元、今年は2450元、25%も上がりました。そして、去年の11月からとうもろこしは月ごとに40元上昇しています。4月は2100元だったのが、今は2450元になりました。とうもろこし1トンあたり300元値上がりすれば、飼料の値段は10%ぐらい上がります。
世界銀行が発表したデータによりますと、今年世界の食糧価格は去年より30%上がりました。そのうちトウモロコシは70%も上昇しました。2010年から中国はトウモロコシの輸入国となりましたから、国際的なとうもろし価格の変動は中国国内の価格に直接影響します。
さらに、工業界のトウモロコシに対する需要も年々増えています。たとえば、アルコールは、とうもろこしが原料となっています。利益が養殖業より大きいから、より高い値段でトウモロコシを購入することができます。バイオ燃料などの分野でもトウモロコシの利用が拡大しています。
国家食糧センターの調査データによりますと、今年国内のトウモロコシ栽培面積と生産量は去年より高く、今年の生産量は1.825億トンに達し、去年より2.9%増え、525.5万トン増えました。これにより、下半期トウモロコシの値段は少し抑えられるだろうと見られています。
4、5月の高騰からすでに養殖農家がたくさんのにわとりを補充しましたから、今後数ヶ月のうちに効果が出ると思います。国慶節の後にも下がる可能性が大きいですが、でもすぐに旧正月になりますから、そんなに下がることはないでしょう。(ooeiei)
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