そして本日最後の訪問場所は、中華人民共和国建国後初の首相となった周恩来氏が幼い頃学んだ「書院-寺子屋」です。

書院の入り口に向かう記者たち=撮影:万兵
周恩来氏の母親と養母が亡くなった後、周恩来氏は12歳の時に鉄嶺で半年ほどの時間を過ごしました(その後瀋陽で2年の時を経ています)。
「私が12歳だったあの年、私は故郷(浙江省)を離れて東北地方を訪れました。これが正に、私の生活と思想を変えるターニングポイントだったのです。この東北地方での経験が無ければ、私の一生が中国に功績を残すことも無かったでしょう。それどころか、故郷に残った私の兄弟たちと同じように、悲劇の道を辿るより他無かったのだろうと思います。封建教育から西洋の教育を体験し、封建的な家庭から学校という環境に身を委ね、革命に関する書籍を読むようになりました。これが私の革命の始まりだったのです」。
周恩来氏は当時を振り返ってそう話していたそうです。

書院の中庭に建てられた石碑=撮影:万兵
鉄嶺に今も残されている(一部はその後修築されています)周恩来氏が学びを得た寺子屋は、郝浴という政府の官僚が創始したものです。鉄嶺に残されたこの寺子屋は現在博物館となっており、当時の子供たちの学習の様子を垣間見ることができるだけでなく、周恩来氏が学びを得た場所という角度から見学することができる他、著名な書道家の書や350年前の石碑(石碑には当時寺子屋に保管されていた書籍の目録などが刻まれており、現在では国宝として指定されています)、学徒たちが使用したすずりなどが展示されているなど、様々な観光の角度でそれぞれの要素を楽しむことのできる場所であると言えます。
また、この寺子屋は鉄嶺の街中にあり、気軽に訪れることができます。
鉄嶺市は、湿地や龍首山、凡河と柴河などの自然景観を楽しむことができるだけでなく、手指水墨画という芸術、寺子屋のような歴史であり文化である希少な観光資源を有する他、近代的な新都市があります。そしてその大きな特徴として、これらの資源が全てほど近い場所に位置しているため、移動ばかりで疲れてしまう観光とは無縁であることが挙げられます。
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