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選者のプロフィール
 李順然、中国国際放送局(北京放送)元副編集長。著書に『わたしの北京風物詩』『中国 人、文字、暮らし』『日本・第三の開国』(いずれも東京・東方書店)などがある。
前書き

 漢詩は、ときにはわたしを励まし、ときにはわたしを慰め、ときにはわたしの心を洗い清めてくれる。訓読の訳文に加えて、素人のまったくの「遊び」だが、和漢折衷の自己流の戯れ訳を添えてみた。日本の歌人の名訳を添えた詩もある。読んでいただければ嬉しい。

選者のひとこと
 「重陽」は1929年10月、秋たけなわの重陽の日に、福建省上杭で書かれたものだ。
 当時の毛沢東は37歳、中国赤軍を率いて地方軍閥と闘い、上杭を占領している。この闘いに参加した畢占雲は、その回顧録で当時の思い出を次のように綴っている。
 「民衆は赤軍を歓迎した。赤軍は、大地主の田畑を貧しい農民に分け与えた。意気天をついた。わかものは、すすんで赤軍にさんかし、その隊伍は、六、七千人となった……」
 毛沢東は重いマラリヤをわずらい、担架の上から指揮することが多かったが、戦闘の勝利、土地を手にした農民を目にした毛沢東は、その喜びをこの詩で「戦地の黄花分外に香し」「春光に似ず春光に勝る」と詠って、その頌秋派ぶりを示している。
 ちなみに、1979年に出版の『毛沢東詩詞』(北京、外文出版社)には、毛沢東の詩39首が収められており、そのうちの11首は秋に書いたものか、秋に触れているものだが、悲秋詩想はまったく感じられない。毛沢東は生粋の頌秋派なのである。
紹介した『私の漢詩歳時記』
• 私の漢詩歳時記―十月中旬
• 私の漢詩歳時記―十月上旬
• 私の漢詩歳時記―九月下旬
• 私の漢詩歳時記―九月中旬
• 私の漢詩歳時記ー九月上旬
• 私の漢詩歳時記ー八月下旬
• 私の漢詩歳時記ー八月中旬
• 私の漢詩歳時記ー八月上旬
• 私の漢詩歳時記ー七月下旬
• 私の漢詩歳時記ー七月中旬
• 私の漢詩歳時記ー七月上旬
• 私の漢詩歳時記ー六月下旬
• 私の漢詩歳時記ー六月中旬
• 私の漢詩歳時記ー六月上旬
• 私の漢詩歳時記ー五月下旬
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