「えっ、何があったのですか?」
「ええ……」と、彼の童顔に少しふさわしくない憂いが表れました。
「一等賞を受賞してから僕はテレビ局で録画したり、夜は公演したりして、急に忙しくなってしまいました。風邪を引いて一ヶ月を経って、やっと熱が出ったり息切れがしたりしました。心筋炎と診断したため、完全に回復するまで立ち回りなどの練習が禁止されていました。しばらくの休養は僕にとってとてもつらいことでした。ほかのクラスメートは毎日一生懸命で練習しており、僕はそばで見るしかなくて、羨ましくてどうしようもなかったのです。そして、僕が病気になって間もなく、祖母が亡くなりました。その後、僕は完全回復して、再び「武丑」として舞台にのぼったとき、『もうこの舞台に戻ったから、安心してね』という気持ちを祖母に伝えたかったのです」
「大丈夫、きっと伝えると思います」と、私は思わず彼を慰めました。
「うん、僕もそう信じています。祖母が僕を見守っています。きっと……」
「そういえば、おばあさんはたっだ一度だけ、劉さんの公演を見たのですね」
「そうです」
「立ち回りに関する役柄の舞台生涯はほかの役柄より短くて、もしいつか『武丑』を演じることができなくなったら、どうしますか?」
「中日交流の使者になりたい!」
「えっ?」と、私はびっくりしました。
「驚きましたか?」
「それは何故ですか?」
「僕は日本の環境や文化などが大好きで、心をひかれたのです。僕は何年か前日本で公演したことがあり、それから独学で日本語を勉強して、今は中級の読本を自習しています」
「大したものですね」
「それほどでもないのに過分のお言葉です」と、劉佳は照れて目を細くしました。
彼の笑顔に、何か言うまでもない魅力があるように見えます。(楊)
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