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写真家 稲垣喬方さん~Part3 中国を旅する 

2009-06-24 18:00:42     cri    

Part3 中国をする <コツは「人」との付き合いにある>




















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写真は「胡同張老北京民間芸術館」の張館長に手作りの稲垣黄鶴俳句集を手渡す稲垣さん

――中国の町を歩く時、いろいろと細かく観察しているようですね。

 私が中国から帰る度に、仲間から中国のことを聞かれます。いつもお土産話になるネタを探していますが、私の見たことの中で、感心したことは、例えば、バスの表示板のところに、数字が出ているでしょう。あれがすごく参考になりますね。日本もあのようにすると良いのになと思っています。日本は今、高齢化社会が進んでいますので、どこかに行く行き方を説明する時、「何番に乗ってください」と説明できるとはっきり分かりますので。日本のバスにも一応番号が書いてありますが、よっぽど近く行かないと分からないので、遠くからはっきり分かる中国の表示がうらやましいです(笑)。

 また、中国の信号には後何秒で赤になると数字表示されています。これもお年よりにとっては、良いやり方だなと感心しました。

――今日も中国の布靴を履いていますが…

 北京の靴の老舗「内聯昇」で買いました。400元でした。冬でも寒くない。北京に来る度に、東京の友達から「また今度買ってきてね」と頼まれます。特に、女性の靴の模様がきれいですね。銀座のウィンドゥに並べれば、今の若い女性も絶対買うと思いますよ。喜んで履くと思います。ただ、雨の時は無理ですが。逆に、中国国内では何故皆さん履かないのかと思っています。

――旅は友人作りから、これが稲垣流の中国の楽しみ方なのでしょうか。

 相手国の人とかならず接触しないとだめ。もっと深く付き合い、色々親しくすれば、向こうも親しくしてくれる。しかし、残念なのは、今、ほとんどの観光客はそれをしない。添乗員だけで、現地の人と本当に親しくならない。やはり、そこで、言葉の分かる人が、間にたって仲人をする必要があると思います。

 中国と日本の間で、人材がないわけじゃないでしょう。定年の人で日本語が分かる人がいくらでもいる。中国と日本がもっと親しくなってほしいと思う人々がそういう役を申し出て、きっかけを作れば良いと思います。

――中国を旅していて、不便に感じることはありませんか。

 この前、試験的に北京のある五星ホテルに泊まりました。しかし、日本語が通じるスタッフはいませんでした。フロントに世界各国の時計があっても、東京の時計がないのが悲しいですよね。

 中国の飛行機に乗った時も、機内放送は中国語と英語だけで、日本語での説明がない時があります。こういうささやかなところで、手を差しのべていない。

 この点、日本では中国人観光客の増加に対応して、たとえば、空港や駅ではすべて中国語による漢字表示があり、大手電気店に行けば、店員の腕章により対応できるスタッフが居る事がわかり、中国語も書かれており、中国人客が製品の使い方が分からないような時も、すぐ対応できるようになっています。

 誰だって、意思も伝わらず、不安に思うようなところには観光に行きたくはありません。日本人には中国に行ってみたいというニーズがあるので、こうした細かいところでの気配りがあれば、必ずもっと観光客が増えると思います。(つづく)(聞き手:王小燕)

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