展覧会のDM
―展覧会作品について―
今回の展覧会作品の多くにインスピレーションを与えた「中東」に興味を持ったきっかけをお話します。
中国画と、西洋に始まる油絵をどちらも描くわたしから見ると、中東の美術は西洋とも東洋とも異なった特殊なものです。そのため、彼らの幾何学装飾や宗教文化に以前から興味を持っていました。その興味をさらに後押ししたのが「リオリエント」という本でした。この本には、歴史の中で中東が果たした役割が意図的に過小評価されているということが書かれています。そのため現在でも中東は日本にとっても中国にとっても理解の難しい存在となってしまっています。
「リオリエント」には中東地域が、シルクロードにおいて文化を伝えたという役割だけでなく、自身の高い医療技術、歴史学などの分野でも現在の世界のあり方に大きく影響を与えたことが書かれています。それまでペルシャ絨毯などの工芸品を見てただ綺麗だなと思う程度の関心は、彼らの存在そのものへの関心へと移っていきました。
また中国は本当に広くて大きい国です。旅をすれば、ひとつの国だとは思えないほど変化に富んだ風景に出会えますし、56の文化の異なる民族がそれぞれ自分の生活をしています。そんな中国にいることも、日本では感じるきっかけの少ない文明のつながりを意識することにつながり、これがわたしの中東の文化に対する興味を大きくしています。
| ||||
© China Radio International.CRI. All Rights Reserved. 16A Shijingshan Road, Beijing, China. 100040 |