「これからの中日交流を支える若者たち」、本日はスペシャル企画として、香港や大陸映画とかかわりの深い日本人俳優・澤田拳也さんをクローズアップします。
第一回 俳優・澤田拳也さんと北京
プロフィール:澤田拳也 幼い頃から少林寺拳法に親しみ、少林寺拳法3段を取得。キックボクシングも得意とするなど、ジャッキー・チェン映画や自らが主演する香港映画「ホーク/B計画」などではスタントマンを必要としない華やかかつ鋭いアクションを見せつけ、元K1選手の魔娑斗と共演した主演映画「武勇伝」では、過去に痛みを抱えるバーのオーナー・ゴローの複雑な人柄を奥深い演技で表現するなど、長年国内外で注目を集めている。かつて姜文(チャンウェン)映画の出演で一度北京を訪れているが、今回、香港出身の爾冬陞(イー・トンシン)監督の新作映画出演のため、2度目の北京入り。イー・トンシン監督映画は、前作に続いて二度目の出演となる。 |
3月とは言え未だ花々のつぼみは固く閉ざされ、日中は太陽の光が遠く感じるその日、俳優・澤田拳也さんが再び北京の地を踏んだ。
実に13年ぶり、二度目の北京である。
かつて中国の巨匠姜文(チャンウェン)監督から再三にわたるオファーを受け、同監督の映画に出演するため初めて訪れた北京。
1998年のことだった。
あれは、1998年5月だったろうか。
風は乾いた熱気を含み、すでに真夏のような暑さの中、一時の滞在場所として姜文監督のクルーが用意した東直門外のホテルから、毎朝5kmほどの道のりをジョギングした。
初めての中国大陸、初めての北京。
成龍(ジャッキー・チェン)映画やその他の香港映画への出演で香港は何度か訪れているものの、大陸はこのときが初めてだった。
香港と違って英語が通じない。
まだ20代の駆け出しの頃、単身アメリカにわたってハリウッド映画への出演を果たした澤田さんは、英語は得意だが、中国語はさっぱり。
そもそも香港は広東語なのだ。
北京語に触れるのは初めてだった。
そんな状況の中に居ながらも、澤田さんは北京初日からジョギングがてら街を散策し、ホテルの傍らにある小道を入って、「早点」と呼ばれるローカル屋台の朝ごはんを黙々と堪能する。お粥に油条(揚げパン)、ゆで卵と小皿に取り分けられた数種類の漬物。日本円にしてわずか数十円。
「それなりにいけるな」。
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