第二回 舞台「珈琲店的太太」、開演
「珈琲店的太太」って、どんな舞台?
と聞かれたら私はこう答えるだろう。
――おもちゃ箱みたいな舞台。
そう、演出・脚本を手がけた雨晴義郎氏が作り出すこの舞台、「珈琲店的太太」は、まるでエンターテイメントのおもちゃ箱。
エンターテイメントを知り尽くした大人が、自らのお気に入りのエンターテイメントというおもちゃを全て劇場というおもちゃ箱に詰め込んだようなパフォーマンスだ。
上演を前に絵本「長大以後做什麽』を読んで、短いトークをする mascot girl (黄芬)
(c)2011 TATSUO ROKUDO
舞台はふいに幕を開ける。
可愛らしいマスコットガールがアニメの少女のような声でフロントアクトを演じ、ファンタジーの世界を作り出す。
子供に諭すかのような優しい語り部。
これから何が始まるのか、観客らは身を乗り出して彼女、黄芬のファンタジーに身を委ねる。
黄芬:「東方ハリウッド」とも呼ばれる杭州の横店映画村での実習を経て、小劇団の司会などを務める。地方から夢を求めて首都・北京にたどり着いた。現在は六渡氏が営むカフェで働く傍ら、「食」について学びを重ねている。
そしてそんなふわふわとした優しい空気のファンタジーに身を委ねていた観客らは突然、轟音と共に繰り広げられる本格的な武術演舞に夢の世界から叩き起こされる。
倉重拓(主演、シンジ役):現在は清華大学で中国現代学を学んでいる。アメリカ留学後、数年間日本でサラリーマン生活を送るものの、ふと思うところがあり、2008年に中国にたどり着く。
そして夢から覚めた観客らは、「なんだ、なんだ?何が始まった?」とばかりに、一気に舞台に引き込まれて行く。
始めから最後まで舞台に立ち続けるシンジ以外の出演者が嵐のように舞台に参上しては捌ける。
怒涛の幕開けが過ぎるとそこには、なぞの世界が広がる。
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