ここ数年、中国の電子商取引は速いスピードで発展しています。取引高は、毎年、記録を塗り替え、各分野での応用も絶えず開発、実施されています。また、関連サービスの発展スピードも勢いがあり、サポートシステムも絶えず整備され、イノベーションの原動力として、存在感が増しています。電子商取引は今や実態経済と深く融合しており、国民経済の成長を牽引する新しい原動力になっています。
これまでの5年間、中国の電子商取引額は年平均28%の伸びとなっていて、2010年、中国の電子商取引額は4兆5千万元(日本円約55兆円)に達しました。中国インターネット協会の高新民副理事長は、このほど閉幕した「2011年中国インターネット会議」で、中国の政府当局が今後5年間の電子商取引計画を制定したことを明らかにしました。内容は、事業体の建設、電子商取引サービスの発展、環境整備などの面から、電子商取引を発展させていくというものです。計画そのものは、まだ発表になっていませんが、中国の電子商取引はこれから規模を拡大する段階に入っていくだろうと高副理事長はみています。そして、「まず1つの軸は、企業の建設だ。つまり、従来の企業がどうやって電子商取引を、生産や経営、販売モデルの転換に生かしていくかということだ。2つ目の軸は、電子商取引サービス業の発展だ。とりわけ、取引のプラットホームの整備である。3つ目の軸は、支払い、物流、商道徳等を含む環境の確立。環境の完全性などを含めた電子商取引を取り巻く環境全ての更なる完備である」と語りました。
重点産業や特色のある分野における電子商取引によるイノベーションを促し、その先端的役割を果たすため、中国の関連当局は様々な方面に積極的に取り組んできました。中国商務省電子商取引情報化局の張ハイ東副局長は、「ネットショッピングなどの電子商取引は、中国では大きな可能性がある。現在、電子商取引は、モデル化され、すでに関連主管当局の重要な仕事になっている」と話しました。
張副局長はまた、「現在、電子商取引ビジネスのモデル都市に関する企画や設計に取り掛かっている最中だ。これには、電子商取引ビジネスのモデル基地やモデル企業なども含まれている」と語りました。
一方、中国の電子商取引の発展は、いまだ大きな課題も抱えています。電子商取引ビジネスと従来の生産経営活動の融合が緊密ではなく、一部で矛盾と衝突が目立っています。また、電子商取引のビジネスモデルはまだ成熟しておらず、電子商取引に関する法律の体系化も遅れています。公的サービスと市場モニタリングの更なる強化も必要で、信用システムの信頼度も一層強化されるべきです。しかし、ネット取引のトラブル処理はたいへん困難です。このため、これもある程度、人々の電子商取引ビジネスへの信頼感育成に影響を与えていると見られています。
電子商取引における問題の中で、とりわけ重要なのは、支払いのセキュリティです。取引の双方からもっとも注目されています。こうした電子商取引ビジネスの発展のボトルネックを解決するために、中国人民銀行は今年、第三者支払いライセンス制度を導入しました。これは、電子商取引のプラットホームに規制をかけ、その規範化を図るためのものでもあります。
これについて、第三者支払い企業の「ChinaPNR」の周曄CEOはインタビューで、「ライセンス制度は、第三者支払い企業にとって一里塚のような意義がある。支払い企業はこれによって、発展の黄金期を迎えるだろう」との見方を示しました。
周曄CEOは、「人民銀行によるライセンス発行は、支払い産業が正式な業種もしくは機構として認められたことを意味する。支払い企業は今後、これまでよりもずっと大きな市場チャンスを得たことになる。しかも、それは、今まで想像もできない規模のものだ。また、法的地位の確立により、より多くの資金と人材が必ずこの分野にやってくると確信している」とも述べています。(Yan、高橋)
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