このほど、アメリカの債務問題が注目の的となっています。事実上、債務問題はアメリカ経済に付きまとっているもので、突発的なことでもなく、「危機」と言うまでにはなっていないと、中国外貨投資研究院の譚雅玲院長がその考えを明らかにしました。
譚院長は文章の中で次のように書いています。アメリカの債務問題が注目の的になったことはこれまでに何回もありました。実際、世界市場のリスクに対する憂慮と不確定心理は、アメリカの債務問題の解決や、国債売却にチャンスと条件を作り上げています。また、株価の下落はアメリカの戦略的な選択と国家利益において、ある程度、一石二鳥の役割を果たしています。
アメリカの国債問題は、その世界拡張戦略に、より大きな競争優位性と独占範囲を求め、米ドルの特殊な地位とエネルギーを通して世界で覇権を実現する手段となっています。しかし、現在、債務問題を議論する際、「危機」という言葉を頻繁に使い、問題の本質に対する分析や理解、論証は短期的で、簡単かつ局部的なものでしか言えません。そのため、世論は世界情勢に対する分析と判断は入り乱れ、問題の本質を見逃してしまいました。マスコミがアメリカの債務「危機」が世界経済にもたらしたダメージを過剰に報道したことは、市場関係者に冷静な判断を失わせています。これは世界経済の均衡の取れた発展にマイナスな影響を与えるに違いありません。
アメリカ国債問題を議論する際の立脚点はアメリカの国家利益です。アメリカの各政党と派閥の論争或いは両院の食い違いは最終的には国家利益というこの最高目標に戻ります。それで、アメリカの国家信用は債務問題によって下がることはなく、米ドルもこれで崩壊することはありません。現在、マスコミがアメリカの国債問題に対する過剰な報道は、アメリカ及び米ドルのエネルギーと資質を弱めることはできません。逆に、アメリカはこのような世論環境を巧みに利用して米ドルの値下げ政策を推進しています。米ドル値下げの影響拡大は明らかにアメリカの経済構造調整に有利です。
アメリカの債務問題は確かに、アメリカの経済構造の不均衡を反映していますが、アメリカでこのような成長モデルと結果が現れたのは、そのグローバル化戦略によるものです。アメリカは経済発展の最も高い段階にあり、その多国籍企業というモデルは、資源、資金と財産配置のグローバル化をもたらしただけでなく、アメリカの負債経済の資本需要に充実した資金源を提供しています。そのため、アメリカ債務問題よりも米ドルの覇権的地位を中心に見なくてはいけません。現在の独特な新しい金融改革によって変えられるのは、アメリカ経済の成長パターンで、その規模と実力ではありません。世界的、或いは局部的な調整は、米ドルの覇権的地位を変えることができません。むしろ、米ドルは新たなエネルギーを集中して、国際金融の新しい時代を導こうとしていると言えます。(翻訳:ヒガシ)
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