中国政府はこのほど、水利建設の加速に関する文書を発表し、中国の水利建設が大きく遅れている状況を根本的に改善するため、5年から10年をかけて努力していく方針を明らかにしました。
中国国務院報道弁公室は30日記者会見を行い、陳雷水利相がこの水利建設加速についての文書を詳しく紹介しました。その際、陳雷水利相は「経済と社会の発展ニーズに比べ、中国の水利整備への投入はなおも足りず、水利建設のペースを大いに速めるには一刻の猶予も許されない」とした上で、 「中国の水利建設が大きく遅れている状況を根本的に改善するため、5年から10年をかけて努力していく必要がある。2020年までに水害旱魃防止システムや、水資源の合理的配置と効果的利用システム、水資源の保護、河川と湖の保障システム、それに水利施設の科学的発展にとってプラスとなる制度やシステムをほぼ構築していく」と述べました。
この文書によると、今後、中国は次の分野の建設、に力を入れることになります。それは、農地の水利建設を大いに行い中小河川の整備と小型ダムでの危険排除・補強工事を加速すること。設備の不具合よる水不足を急いで解決すること。洪水や干ばつの防止のための緊急対応能力を高めること。それに農村の飲用水の安全確保を引き続き推進させることです。
これについて矯勇水利次官は「以上の五つの点が、今年の水利活動の重点となる」とした上で 、「水利建設資金の国家固定資産投資に占 める割合を増やし、中央財政と地方財政の水利への専用資金投入額を大幅に増やし、水利建設における政府の主導的役割を発揮し、農家の活動意欲を引き出し、社会の投資を増やすという新しいメカニズムを構築していく」と述べました。
また陳雷水利相は「中国は外資の導入と他の優遇政策の実施を通じて水利への投資・融資の問題を解決することになる」と述べました。
また、この文書では、全国の年間用水量を6700億立方メートル以内に抑えるという目標を打ち出しました。現在、中国の一人当たりの水資源保有量は世界の平均水準の四分の一に過ぎず、およそ三分の二の都市には、程度の差こそあれ、それぞれ水不足の問題が存在しているのです。ですからこれまでの水利状況を根本的に改善していくことが必要となってきているのです。
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