2010年が終わろうとしていますが、今年を振り返ると、高騰した住宅価格が庶民の生活に大きな影響を与えた年でした。中国社会科学院は、このほど「2011年度社会白書」を発表し、住宅価格に対する庶民の関心が高まり、都市住民の半数以上は、政府への最大の希望として「住宅価格を下げること」を挙げていると明らかにしました。
「いまの住宅の価格には、普通の庶民は手が出ません。都心を離れた第4環状線周辺でも、マンション1軒が200万元もします。いまの給料の2、30年分です。狭い家でも100万元はします。マンション一つで、全ての貯金がなくなります」
こうした状況の中で、いかに住宅価格の高騰を抑え、庶民、特に収入が低い若者らに安定した住環境を与えるかが、現在の最も重要な課題となっています。
2010年初めから、政府が住宅価格の高騰を抑制するための措置を講じたため、大都会では、中古不動産価格はある程度の落ち着きを見せました。しかし、新築マンションの価格は依然として上昇傾向にあります。
また、地方政府も地元の現状を踏まえて様々な措置を取ってきました。例えば北京では、「12ヶ条の措置」を打ち出しています。これについて、中国社会科学院のエコノミスト馬光遠氏は、次のように述べました。「総体的に見れば、この12ヶ条の措置は、異常な住宅ニーズを抑え、また住宅供給の面からも、素晴らしい計画だと言えます。しかし、肝心なのは、その内容を徹底させることです。住宅価格がある程度の下落を見せるようになって、はじめて不動産市場の本当のニーズが出てくるでしょう」
新しい不動産政策が実施されてすでに半年が経ちました。その効果は確かに現れています。しかし業界では、不動産価格に対する政策の抑制効果には限界があるとみているようです。
それは、政策面からみれば、住宅取引税の削減や低所得者層向け住宅価格の調整、住宅ローンの拡大、特に住宅積み立て金による支援、合理的な住宅消費の提唱などの措置は、間違いなく住宅価格の安定につながります。しかしながら、土地価格の高騰や不動産業界の複雑な利害関係などにより、こうした政策の効果が妨げられているのも事実で、来年も、住宅価格の動向が依然として注目の的になりそうです。
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