この12月8日に、日本の菅直人内閣は発足半年という日を迎えました。今年の6月、菅直人氏の首相就任後、日本国民の菅内閣への支持率は最高の時には70%近くとなりましたが、今は、日本の各メディアの世論調査によって、内閣への支持率は政権成立以来最低の状態にあることが分かりました。
日本の読売新聞が5日に発表した世論調査の結果で、菅内閣への支持率は、先月より10%下落し25%となっていることが分かりました。それによると、国民の政府への不満は「外交問題での対応」、「閣僚の不正発言問題」、「経済問題の対処で効果がない」などに集中しています。そのほか、政党への支持率 をみれば、民主党は自民党より低くなっているのです。政権交代後1年半足らずというのに民主党が直面しているのは非常に困難な情勢です。
今年の9月、菅首相が内閣改造を行った後、内閣への支持率は徐々に下がってきました。世論は、菅内閣の国内問題と外交問題での焦りによって国民からの支持が下がっているとしています。
まずは経済面で円高、それに長期的に続いたデフレなどによって日本経済は停滞状態にあります。統計によると、今年の末までに日本の国債総額は973兆円を越えて1000兆円を突破する可能性もあります。このため日本政府は財政支出削減ではかつてなかった困難に直面しています。一方、経済状況を改善するため政府の出資による経済刺激策も必要でしょうが、政府が財政支出を増やすのは容易なことではないようです。
菅内閣は経済刺激を目的とする2011年度補正予算案を打ち出しましたが、この補正予算案の国会での可決は並々ならぬものでした。先月26日、野党側が多数を占める参議院でこの予算案は否決されたことから、民主党は憲法で定められた「衆議院の議決のみで国会決議を成立させること、いわゆる衆議院に優先権を認める」という原則に則ってこの補正予算案を可決させました。この予算案の可決は自民党と民主党との対立をさらにエスカレートさせました。菅首相自身も2011年度の政府予算案を国会でいかに採択させるかは、より大きな課題になることを意識しているでしょう。
政権運営の面でも、菅首相はいろいろな圧力に直面しています。柳田稔法相が「国会軽視」発言によって辞任しました。柳田氏は菅内閣では不正発言によって初めて辞任した閣僚です。また野党は、仙谷由人官房長官と馬淵澄夫国土交通相に対する問責決議案を可決させました。その理由は仙谷官房長官がその発言で、自衛隊は、国家の暴力措置だと言ったことと馬淵国土交通相が中日船舶衝突事件対応で不適切だったということです。
また外交分野で、日本国民は、菅内閣に外交問題における対応に不満を示しています。菅内閣は中日船舶衝突事件で強硬な姿勢を選りましたが、これは事件を迅速に解決したどころか、中日関係の悪化をもたらしています。このほか、米軍基地の県外移転を主張している沖縄県の仲井真弘多知事が知事選で勝ち、再任したことによって普天間米軍基地移転問題の最終解決はまたも未知数となっているのです。これについて国際問題のアナリストは「普天間米軍基地移転について、菅首相が来年始めのアメリカ訪問で解決策を見出せなければ、この問題は日米関係に影響を及ぼす大きな要素の一つになるだろう」としています。 (翻訳:任春生)
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