3月下旬に入り、中国の長江より南の地方では菜の花やスイセンなど、さまざまな春の花々が一斉に咲きそろい、一年中で最も華やかな時期を迎えます。一方、北方地方でもモクレンや迎春花などの花が相次いで咲き始めました。
今回の中国メロディーは蒙古族の人気バンド・アルグンを紹介しました。番組の中で紹介したのは蒙古民謡「鴻雁(オオカリ)」とこの曲の中国語カバー曲、「天辺(空の果て)」、「子守唄(揺藍曲)」でした。
アルグンは2001年にデビューした男性4人グループです。そのグループ名は蒙古族の母なる川・アルグン川からつけられました。グループは蒙古族の伝統音楽と現代音楽の融合を試み、多くの素晴らしい音楽作品を創作し、中国歌謡界において不動の地位を確立しました。
アルグンは2002年、内蒙古自治区オリジナル曲コンクールで最優秀賞を受賞しました。2005年10月に中国中央電視台(CCTV)の人気番組『星光大道(スターへの道)』で頭角を現し、一躍人気バンドとなりました。それ以降はヒットを連発し、多くのファンの心をつかみました。かれらの歌声は蒙古族の自由奔放な性格を充分に現し、中国の音楽界に新しい風を吹き込んでいます。
1曲目 鴻雁(オオカリ)(モンゴル語)
この曲はアルグンのデビュー曲です。歌はモンゴル語で唄ったものですが、蒙古族の人々の故郷への深い愛情を感じさせる曲です。この歌は内蒙古自治区ウラト草原に伝わる民謡を元に作られたものです。ウラト草原にはこの民謡に関わる古い伝説が残されています。
昔、ウラト草原は緑豊かな草原でした。地元の牧畜民たちはここで穏やかで幸せな遊牧生活を送っていました。蒙古草原に生息する鳥・オオカリと同じ名前を持つ美しい乙女・オオカリにはブレンという恋人がいました。結婚を前にして、ウラト草原は他民族からの侵略を受け、ブレンは徴兵に応じて軍隊に入りました。やがて、彼が戦死したとの通知がオオカリのもとに届きました。嘆き悲しむオオカリは愛しい人の「志」を継いで、両親と離れ、戦場へ赴きました。しかし、緑の草原が枯れる頃になっても、オオカリは帰ってきません。そして、戦場から帰ってきた人たちの話で、美しいオオカリは戦死したことがわかりました。彼女は戦友に「私のことで悲しまないでください。春になったら、私はオオカリに変身して故郷へ帰ってきますと両親に伝えてください」と言い残しました。
2曲目 オオカリ(中国語)
この歌は蒙古民謡「オオカリ」の中国語カバー曲です。1990年代、呂燕衛さんはこの古い蒙古族民謡の曲に合わせて中国語歌詞を作りました。この中国語カバー曲では呂さんがアルグンのために作ったものです。故郷への愛をしみじみ感じられる曲です。
歌詞は
オオカリよ 空を
並んて飛んでゆく。
川の水は長く、
草は黄色く色づき、
馬頭琴の悲しい音色が草原に響き渡る。
オオカリよ
南方へ飛んでゆく。
葦原の上 蒼茫の空
オオカリがどこへ行っても
北方の故郷が心の中に残る
3曲目 天辺(空の果て)
曲の冒頭部分、笛の音色が、悲しくも牧歌的な雰囲気を演出し人々を広々とした蒙古草原へ誘ってくれます。
歌詞は
空の果てに二つの星がある
それは僕が夢で見た瞳
僕は駿馬に乗って
遠くにあるその星を追いかける
4曲目 揺藍曲(子守唄)
この歌はアングルが蒙古族の民謡を元に作った歌「子守唄」です。曲は蒙古族の美しいメロディーで母の愛を歌っています。
歌詞は
眠れよ、よい子よ、
母の懐は最も暖かい
黒い夜は怖くないよ
母がそばにいるよ
眠れよ よい子よ、
暗闇は怖くないよ
大きくなったら、
命の中の暗い夜に直面するよ
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宛先
〒100040 中国国際放送局日本語部「中国メロディー」係
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