1月上旬、北京は一年の中で最も寒い時期で、日中でも気温が氷点下まで下がることがしばしばあります。こんな寒い季節には、友だちや家族と一緒に語らいながら、羊の肉を使ったシャブシャブを食べるに限ります。温かい鍋を囲めば、寒さも飛んでいきます。
今回の中国メロディーは中国の東北地方に暮らす少数民族の生活を描く音楽作品「スケッチ、北方民族の生活」をご紹介いたしました。番組の中でご紹介したのは月琴の協奏曲「スケッチ、北方民族の生活」の「競馬」、「トナカイ」、「漁歌」、「冬の猟」という四つの楽章でした。
「スケッチ、北方民族の生活」は作曲家・劉錫津さんが1970年代に創作した、月琴協奏曲です。胡琴演奏家・馮少先さんの華麗な演奏によって中国民族音楽の名曲と讃えられました。
月琴は民間に広く伝わった弦楽器で、胴が満月のように円形でその名がついたそうです。マンドリンに似た高く澄んだ音色の楽器です。
月琴協奏曲「スケッチ、北方民族の生活」は「競馬」、「トナカイ」、「漁歌」、「冬の猟」という四つの楽章からなります。この四つの楽章はまるで四つの生活の息吹溢れる画面のように北方地方の少数民族の多彩な生活を音楽で描き出しました。
1曲目 競馬
この曲は協奏曲の第1楽章「競馬」です。曲の冒頭部分では、月琴が、蒙古族の特徴的な旋律をアップテンポに奏でているのが、印象的です。蒙古族の盛大なお祭、ナダム祭の賑やかな場面を再現し、特に、馬に騎乗した蒙古族の若者が大草原を疾風の如く、自在に馬を操って疾駆する姿が目の前に浮かんできますね。
2曲目 トナカイ
この曲は協奏曲の第2楽章「トナカイ」です。楽章はエヴェンキ族の独特な生活風景を描きました。
エヴェンキ族は昔から中国東北地方の森林で暮らし、漁業や狩猟に従事しています。また、トナカイを飼育し、世界で唯一トナカイを使う民族でもあります。
楽章の冒頭は、月琴と笙による、エヴェンキ族がトナカイを飼いならす時の呼子の音で始まります。続いて月琴が、トナカイを飼う人のゆったりした足取りやトナカイの美しい姿を表現した、特色ある主題を奏で始めます。。曲の最後は、月琴と他の楽器で、エヴェンキ族の人々が、トナカイを連れて森林の中に消えていく場面を表現しています。
3曲目 漁歌
月琴は、この協奏曲の第3の場面を描き始めます。漁業を生計とするホジェン族の人々の生活を、月琴が優しく美しいメロディーで奏でます。また、チェロの穏やかな音色は夕日が西に沈む時、ホジェン族の人々が船をこぎながら歌を唄う場面を描きました。
月琴が奏でた美しい旋律は、まるでホジェン族の歌声が聞こえてくるように生き生き としています。
4曲目 冬の猟
曲は、いよいよ最終章、中国東北地方の森林に暮らすオロチョン族が、猟をする時のシーンを描いた「冬猟(冬の猟)」でクライマックスを迎えます。
この楽章では、月琴は、狩をする時の緊迫した雰囲気を生き生きと描き、また、狩を終えた狩人が、獲物を満載にして帰る喜びを表しています。
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